加齢黄斑変性

さまざまな目の病気について、
その内容や治療方法などをご紹介します。

加齢黄斑変性とは

黄斑とは光を感じる神経の膜(網膜)の中央にある、物を見るために最も敏感な部分です。
加齢黄斑変性とは、加齢にともなって黄斑部に様々な異常がでてくる疾患です。以前より欧米では失明原因の第1位でした。日本では30年くらい前まではめったにみられませんでしたが、最近では高齢者の失明原因の上位にあがってきています。

初期の変化(加齢黄斑症)

黄斑部の色素の異常や、黄斑部に沈着物(ドルーゼン)がみられる

進行の状態(加齢黄斑変性)

黄斑部に新生血管という異常な血管が出現したり、強い萎縮が生じる(萎縮型)

症状

ドルーゼンなどの初期の変化では、自覚症状がないか、あっても軽度の視力低下を自覚する程度です。
病気が進行すると

滲出型 黄斑部が障害され中心暗点(視野の中心;見ようとする部分が見にくくなる)、変視症(ものがゆがんで見える)などの症状が出現し急激な視力低下を起こす
萎縮型 症状の進行はゆっくりで萎縮が中心窩(黄斑のさらに中心部)に及ばない限り高度の視力障害には至らない

疫学・危険因子

我が国で最も大規模な調査(久山町研究;九州)では、少なくとも片方の眼に加齢黄斑変性を有する人は50歳以上の0.87%(うち滲出型が0.67%)でした。白人(1.6-1.9%)の約半分の有病率となります。

危険因子

加齢・喫煙・高血圧・日光・遺伝子多型などが挙げられており、現在も世界中で調査されています。
また、動脈硬化や心臓疾患と同様に、加齢黄斑変性と慢性の炎症との関わりが注目されています。

治療方法

ひと昔前まではあまり有効な治療法はありませんでしたが、近年新しい治療法が登場し、早期発見・早期治療によって視力低下を最小限に抑えたり視力が改善したりする可能性が期待できるようになってきました。

光凝固

レーザー光線で新生血管を焼き固めます。正常な網膜も傷害されてしまうので、新生血管の位置によっては治療ができません。

〈レーザー治療〉

光線力学的療法(PDT)

光感受性物質を点滴したのち、特定の波長のレーザー光線を患部に当てることで、正常な網膜を障害することなく新生血管の勢いを弱めることが期待できます。

手術

新生血管を抜去したり、黄斑部を移動させたりすることで視力の改善が得られることがあります。

抗血管内皮増殖因子(VEGF)療法

最近の研究でVEGFという因子が加齢黄斑変性での新生血管の成長に関わることがわかってきており、この因子を阻害する薬剤を眼内に注射することで新生血管の発育が抑えられ、いよいよこの疾患でも視力の改善が期待される時代となりました。我が国でも昨年にその薬剤が発売され、保険診療が始まっています。

予防医療

効果は大きくありませんが、抗酸化ビタミン(ビタミンA・C・E)や亜鉛などの摂取が加齢黄斑変性の発症や進行の予防として働く可能性が大規模研究にて示され、この結果をもとにしたサプリメントが販売されています。また魚油などに含まれる不飽和脂肪酸に予防効果が期待されており、現在米国で大規模な研究が進行しています。

  • 採用情報
  • 眼科ジャーナル

ページの先頭へ