黄斑部疾患

さまざまな目の病気について、
その内容や治療方法などをご紹介します。

黄斑とは

光を感じる神経の膜(網膜)の中央にある、物を見るために最も敏感な部分です。
この部分が病気になると、視力や中心部の見え方が悪くなり、日常生活に大きく影響します。

黄斑円孔とは

黄斑部のちょうど真ん中の部分(中心窩)の網膜に「孔(あな)」があいてしまう病気です。
黄斑部は物を見るための中心ですから、孔の大きさが小さくても非常に物が見えにくくなります。

■症状

  • 視力低下(しばしば0.1以下に低下。これは眼鏡をかけても改善しません)
  • 変視症(ものがゆがんで見える)
  • 中心暗点(視野の中心部:見ようとするところが見にくくなる)など

この病気の変視症では、物がすぼまって見えたり視野の中心部がへこんで見えたりするのが特徴です。
眼底検査やOCT検査などで診断します。

ごくまれに自然に治ることがありますが、硝子体手術が唯一の治療法と考えられています。硝子体や内境界膜(網膜の一番内側の膜)を除去し、膨張性の気体を注入する治療が一般的です。このため術後はうつ伏せなどの体位制限が必要になります。
緊急手術が必要なほどではありませんが、発症してから長い時間が経っていると手術で孔を閉鎖させても視力が回復しにくくなります。

網膜前線維症(黄斑上膜、黄斑前膜)とは

黄斑部の網膜の手前に膜が張って、黄斑部がそれに遮られてしまう病気です。
膜が薄いうちは症状も軽く気づかないことがあります。

■症状

  • 視力が低下
  • 変視症(ものがゆがんで見える)など

眼底検査やOCT検査などで診断します。
治療は硝子体手術にてこの膜を除去します。網膜剥離やぶどう膜炎の影響でこの膜がはる事もあり、この場合はもとの病気に対しても治療が必要です。

黄斑浮腫とは

黄斑部に水分や脂肪分がたまり、むくみが出ることを黄斑浮腫といいます。
浮腫の程度によって、視力低下や変視症(ものがゆがんで見える)、小視症(ものが小さく見える)などを自覚します。

■原因

黄斑下血腫とは

黄斑部の網膜の下に血液がたまる、いわば黄斑部に「血まめ」が出来た状態です。
加齢黄斑変性、網膜細動脈瘤(網膜の血管にコブが出来る)の破裂などが原因で発症します。
視力低下、中心暗点(視野の中心部;見ようとするところが見にくくなる)、視野欠損(視野の一部が欠けて見える)などの症状が急に出現します。
中心性漿液性脈絡網膜症のように水分が貯留する場合とはことなり、赤血球の成分が次第に網膜の細胞を傷害していくため、出来るだけすみやかに黄斑部から血腫を移動させる必要があります。

■治療

治療は気体を注入して血腫を移動させる方法、硝子体手術にて血腫を取り除く方法などがあり、血栓を溶かす薬剤(tPA;組織性プラスミノーゲン活性化因子)が補助的に使用されます。
もとの病気がある場合はそれに対する治療も必要です。

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