色覚特性に関する質問

さまざまな目の病気について、
その内容や治療方法などをご紹介します。

色覚特性に関する質問

二型色覚と一型色覚の違いは何でしょうか。

一番大きな違いは「赤」に対する明るさの感じ方です。二型色覚の人には暗く感じる色はありませんが、一型色覚の人は赤い光や赤い物体を、色覚が正常な人の10 分の1位の明るさにしか感じません。ときには灰色と混同してしまうこともあります。「赤」は現在の社会では危険を知らせる色として使われています。例えば、赤信号は「止まれ」ですし、車のブレーキランプも「赤」です。一型色覚の人は「自分には危険信号が見にくいんだ」ということを十分に自覚し、状況判断していくことが大切です。

色覚特性に異常のある人は照明によって
色が変わって見えるというのは本当ですか?

色覚特性に異常のある人は照明の色によって、ときに知覚する色が大きく変化するという特徴があります。ショーケースに置かれた生肉は照明の色によって新鮮に見えたり、やや古そうに見えたりします。洋服の色も太陽の下と白熱灯の下とでは色が多少違って見えます。しかし、白熱灯の下で見れば全てが「ダイダイ味」を帯びてしまうのかというと、そうでもありません。これが「色の恒常性」といわれるもので、色が認識されるための大切な機能の1つです。
色覚特性に異常のある人ではこの状況は少し違ってきます。色覚特性に異常があると、「赤」対「緑」の色対比の感覚よりも、「黄」対「青」の色対比の感覚の方がずっと強くなっていますので、例えば赤みと紫みの混じった「ピンクの花」は太陽の下ではやや薄めの「青い花」に見えますが、青味成分がほとんど含まれていない白熱灯の下では「青」の感覚が消えて「黄」の感覚だけが残りますので、「ピンクの花」は赤みがかった「黄色の花」に見えてしまいます。

「色の認識」の解説

網膜には緑(M)、赤(L)、青(S)の「錐体(すいたい)」という3 つの色センサーがあります。これらの錐体が光に反応すると、赤と緑の錐体からの信号が足し合わされた「黄」対「青」と、赤と緑の錐体からの「赤」対「緑」の、2 つの対比する色信号に網膜内で変換され、脳に送られて色が認識されます。

二型色覚は「緑」、一型色覚は「赤」が弱いはずなのに、
なぜ同じような色間違いをするのですか?

二型色覚も一型色覚も「黄」対「青」の対比信号が強く、「赤」対「緑」の信号が弱いという共通点を持っています。
二型色覚は緑の錐体、一型色覚は赤の錐体に機能不全がありますが、どちらの錐体からの出力が低下しても「赤」対「緑」の対比信号は減弱してしまいます。一方、この2つを足し合わせた「黄」への色信号は弱まらず、「黄」対「青」の対比信号は正常に出力されます。このような共通点を持っているため、二型色覚も一型色覚も同じ様な色間違いや色混同をするのです。

色覚特性に異常があるとわかることで不利益を被りませんか?

自分の特性を理解することで代償機能の発達を促し、職業選択においても、自らの能力をより生かす道を選ぶ手助けになります。また、学校現場では色覚特性に配慮した指導方法を、より確実に整備することが可能となります。ただし遺伝形式がわかっていますので、プライバシーには留意すべきです。医療機関では当然ですが、学校でも十分配慮されるようご指導ください。

色覚検査についてさらに詳しく知るには?

公益財団法人日本学校保健会の関連ホームページ「学校保健ポータルサイト」に掲載されている「児童生徒等の健康診断マニュアル 平成27年度改訂」(抜粋は愛知県眼科医会ホームページに掲載)や眼関連ページなどを参考にしてください。

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