おもな角膜疾患

さまざまな目の病気について、
その内容や治療方法などをご紹介します。

コンタクトレンズによる角膜障害

コンタクトレンズを装用する事により角膜に障害が出る状態です。

■原因

  • 長時間の装用や不適切な装用による角膜の酸素不足→角膜に浮腫やびらん
  • コンタクトレンズ自体による角膜への傷
  • コンタクトレンズに付着した微生物などによる角膜感染症
  • 長期間の酸素不足による結膜からの血管の進入、角膜内皮細胞の減少

■症状

  • 充血(目が赤い)
  • 異物感(目がゴロゴロする)
  • 眼痛(目が痛い)
  • 視力低下
  • 霧視(ぼやけて見える)
  • 羞明(光がまぶしく感じる)
  • 眼脂など

■治療方法

  • まずはコンタクトレンズの装用を中止する
  • 軽度な角膜障害では点眼治療などで改善する

    発症を繰り返したり、細菌やカビなどの微生物が繁殖したりすると、治った後も視力障害(最悪の場合は失明)が残ることもあります。

これらの障害はいずれも、不適切なレンズの装用や長時間・長期装用、不適切なレンズケアなどにより危険性が増します。適切なレンズの使用とともに、眼科での定期的な診療が重要です。

薬剤による角膜障害

薬剤の使用により角膜に障害が出る状態です。

■原因

  • 点眼液に含まれている防腐剤などの添加物
  • 緑内障の治療などで数多くの点眼を併用している場合にも起こりやすくなる
  • 重症のドライアイの方(涙が少なく点眼液の成分が洗い流されにくい)、糖尿病の方(角膜の傷が治りにくい)などでひどくなりやすい

安易な点眼薬の乱用は避け、眼科医の指示に沿って適切に点眼することが重要です。

点状表層角膜症

角膜は表面から順に上皮・実質・内皮からなっています。
点状表層角膜症は、角膜の表面にある上皮に小さな点状の傷が付いている状態です。

■原因

  • ドライアイ
  • コンタクトレンズによる角膜障害
  • 感染や免疫反応など
  • 外傷や異物、強い紫外線の障害(電気性眼炎:ゆきめ)

■症状

  • 異物感(目がゴロゴロする)
  • 眼痛、視力低下、充血など

■治療方法

一般に原因に対する治療が行われます。ドライアイの場合は人工涙液やヒアルロン酸などの点眼、コンタクトレンズによる場合はレンズ装用の中止と点眼治療、薬剤による場合はその中止などです。
抗生剤の点眼や眼軟膏、ステロイド点眼が用いられる事もあります。

角膜びらん

角膜は表面から順に上皮・実質・内皮からなっています。
角膜びらんは、角膜の表面にある上皮がある範囲ではがれている状態です。
点状表層角膜症がさらにひどくなった状態とも考えられ、原因や症状は共通ですが、角膜びらんの方が症状が強いです。

■原因

血管の炎症が原因:全身の血管障害があって(高血圧、糖尿病、動脈硬化など)引き起こされる場合など。

■症状

  • 急激な視力低下
  • 中心暗点(視野の中心部;見ようとするところが見にくくなる)

■治療方法

  • 原因の除去
  • 角膜上皮の修復を促す点眼
  • 感染予防のための抗生剤点眼の投与

痛みの程度が強いので、上皮が修復されるまで抗生剤の眼軟膏を点入(角膜や結膜とまぶたとの間に塗る)して眼帯をすることが多々あります。
なかにはいったん治ったびらんが同じ場所で再発を繰り返す場合(再発性角膜上皮びらん)があり、保護用のコンタクトレンズや眼軟膏を予防的に使用することがあります。

水疱性角膜症

角膜に多量の水がたまり、”むくんだ”状態です。
角膜の内皮の細胞は、角膜と眼内との水分の行き来を調節して角膜を透明に保っています。
内皮の細胞は再生せず、その数がかなり減ってしまうとその働きが損なわれ、角膜に水が溜まってむくんでしまいます。

■原因

  • 内眼手術(白内障手術や虹彩へのレーザー手術)
  • 外傷
  • 遺伝性の角膜の病気
  • 角膜内皮の炎症など

内眼手術による水疱性角膜症はあまり頻度は高くありませんが、もともと角膜内皮の細胞数が減っている方は危険性が高くなります。

コンタクトレンズの長期・長時間装用により角膜内皮細胞の数が減少するケースも報告されています。

■症状

  • 角膜の透明性が無くなり視力が低下
  • 上皮がはがれ、眼痛が起こる

■治療方法

  • 眼痛に対しては点眼や眼軟膏
  • 治療用コンタクトレンズの使用
  • 角膜の透明性を回復させるためには角膜移植
    以前は角膜全層を移植する手術が一般的でしたが、最近では角膜内皮のみを移植する手術も行われています。

感染性角膜炎

眼の表面で微生物が繁殖して角膜が傷害される状態です。

■症状

  • 充血
  • 異物感(目がゴロゴロする)
  • 眼痛
  • 視力低下
  • 霧視(ぼやけて見える)
  • 羞明(光がまぶしく感じる)
  • 眼脂(めやに)など

症状や程度は原因となる微生物によりさまざまです。

放置すると微生物が繁殖して角膜の障害もひどくなっていき、なかには重症化する(最悪では失明に至ってしまう)場合があります。病気が疑われた場合はすぐに治療を始めるとともに、原因となる微生物や薬剤の効き具合を検索します。

■治療方法

微生物に応じて、各種の抗生物質や抗真菌剤、抗ウイルス剤を点眼・内服・点滴にて投与します。
重症化したり角膜に混濁が残った場合は角膜移植が必要となる場合があります。

乾性角結膜炎

角膜混濁

本来透明であるはずの角膜が濁っている状態です。
外傷、角膜の感染症、水疱性角膜症、緑内障、眼の手術、など原因は様々です。
生まれつきの眼の病気が原因であることもあります。

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