近視

小児の近視について
その内容や治療方法などを紹介します。

近視

2050年には全世界人口の半数が近視に、強度近視人口も約1割になると予想され、現在も、東京の中学生の95%が近視、という疫学調査があります。近視は進行するほど、さまざまな病気になりやすく、もとには戻りません。ただし、成長期であれば、早めに治療を開始することで、抑制できる可能性があります。
見え方が気になりだしたら、早めに受診するようにしましょう。

近視になる原因

主な原因は、2つあります。

1.遺伝

片親が近視の場合は2倍、両親が近視の場合5倍の確率で近視になりやすいといわれています。

2.環境

スマホやゲームなどの近業作業の増加 、屋外活動の減少など。

近視の分類

強さによる分類

  • 軽度  -0.5D〜-3.0D 未満
  • 中等度 -3.0D〜-6.0D 未満
  • 強度  -6.0D以上

D(ジオプター)とは、メガネやコンタクトレンズなどの度数に用いられる単位のこと。近視の度数が強いほど、緑内障や網膜剥離になるリスクが高くなります。

近視は自然には治りません

近視の進行は、おもに6歳〜12歳ごろから始まります。
近視が進行すると、目が前後に長くなり、奥行き(眼軸長)が増します。一度長くなると、もとに戻すことはできず、一部は病的に進行してしまうため、早めの対策が重要です。

正常

近視

眼軸長

近くを見続けると、焦点が網膜より奥に行き過ぎて、調節しようとしても合わなくなってしまいます。この状態が長く続くと、焦点を合わせようとして、目の長さ(眼軸)が長くなります。これが近視の主な原因とされていて(軸性近視)、一度伸びた眼軸は元には戻りません。
眼軸長は近視の強さを示す重要な指標ですが、眼軸が伸びたかどうかは通常の視力検査では分かりません。当院では定期的に眼軸長を計測し、お子さまの近視の進行具合をフォローさせていただきます。

近視は様々な病気の原因になり、視力障害を起こす可能性があります

強度近視があると、緑内障になる危険が3.3倍、網膜剥離は21.5倍にもなります。

近視を予防するために

日常生活での注意

1. 1日2時間以上1,000ルクス以上の光に当たる

1日2時間以上1,000ルクス以上の光に当たることで、近視進行を抑制するとされています。すでに台湾では国策として取り組まれており、近視の有病率が下がった実績があります。なお、1,000ルクスという明るさは、屋外なら木陰でも確保できますが、室内での確保は難しいため、2時間程度の外遊びを心がけるといいでしょう。

2. 「20分-20秒-20フィート」ルールを意識する

20分近見作業をしたら、20秒間、20フィート(6m)先を見ると、近視の進行を抑制し、眼精疲労にも効果があります。この際、ぼんやりと風景を見るより、時計などの指標をじっと見るとより効果が得られます。

オルソケラトロジー

寝ている間に特殊な形のコンタクトレンズを入れて、日中の裸眼視力を改善させる近視矯正法です。
通常の眼鏡やコンタクトレンズ装用に比べ、30~60%眼軸(目の奥行き)が伸びるのを抑制する、と多くの研究で発表されています。

海外では、近視進行抑制のための眼鏡やコンタクトレンズ(日中に使用)が発売されています。

低濃度アトロピン点眼治療

シンガポールで、1%アトロピン点眼液を100倍に薄めて点眼したら、副作用を最小限にでき、かつ十分な近視進行抑制効果が得られると論文発表され、日本でもその有効性が確認されました。
点眼を行なわない場合に比べて、平均50%の近視進行抑制効果があると発表されました。眼軸(目の奥行き)を伸ばすといわれる、脈絡膜のムスカリン受容体に作用し、ブロックするという説が有力です。目の奥行きを長くさせないことで、近視の進行を抑えるといわれています。

眼鏡・コンタクトレンズによる矯正

海外では、「網膜周辺部の結像が手前に来れば近視進行抑制される」という考えをもとに作られた、小児の近視進行予防専用の眼鏡やコンタクトレンズが処方され、効果も発表されています。一方、日本では近視抑制専用コンタクトレンズの承認はありませんが、似た構造のものは存在します。SEEDのEDOFコンタクトレンズは、老眼に対する遠近両用ソフトコンタクトレンズとして開発されましたが、小児の近視進行抑制にも効果があることが分かりました。当院でも処方しておりますので、ご希望の方はご相談ください。

EDOF

・1箱(32枚入) 3,000円(税込)

定期検査が必要です。また、コンタクトレンズ診療代金がかかります。

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