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American Journal of Ophthalmology

2012
154巻

円錐角膜に対する角膜クロスリンキング

American Journal of Ophthalmology 154巻(3号)2012

Corneal collagen cross-linking (Editorials)
Stulting RD(GA USA)
Amer J Ophthalmol 154(3): 423-424, 2012
・円錐角膜は多因子で、遺伝性、眼を擦ったなどの環境因子もある。
・20代から40代にかけて発現、進展し、老年期には進行しなくなる。これは、加齢による角膜の硬化が影響していると考えられている。
・2003年にWollensakらが進行した23眼の円錐角膜に対してriboflavin-ultraviolet A(UVA) corneal collagen cross-linking(CXL)を始めて発表した。
・合併症は稀だが、角膜感染、角膜浸潤、角膜瘢痕、角膜上皮障害、角膜内皮障害による角膜浮腫等がある。
・UVA照射やriboflavin暴露による角膜上皮幹細胞障害も角膜障害を引き起こす可能性がある。
・一般的にCXLによる視力障害の発生は稀で、1-3%位であるが、角膜厚が400μm以上の人に限定し、術後の感染予防に抗生剤を使用し、術後密に経過観察すれば、もっと、視力障害例を少なくできるだろう。
・18歳未満の小児に対する適応も考えるべきだろう(AJO 154:520-526,2012)。
・CXLは角膜の保持する水分を減らすことができるので、角膜内皮障害に対する角膜移植も減らせる可能性もあり、LASIK後の角膜突出も治療できると考えられ、現在、アメリカで行われている角膜移植の50%は避けることができる可能性もある。

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