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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2019
137巻

Clear IOLはCircadian rhythm、認知力、睡眠の質の向上に役立つか?

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 137巻 (8号) 2019

Association of intraocular catract lens replacement with circadian rhythms, cognitive function, and sleep in older adults.
Chellappa SL et al(MA USA)
JAMA Ophthalmol 137(8): 878-885, 2019
・メラトニンは良い睡眠に不可欠で、夜になると徐々に分泌が増え、夜中に最大となる。
・青色光を遮断するBB-IOLと紫外光を遮断するUV-IOL移植を行った高齢者で概日リズムcircadian rhythm、認知力、睡眠との関連を検討した
・BB-IOL、UV-IOLの波長特性はここには記載されていない。
・Crtl(63.6±5.6歳)16名、IOL群(69.9±5.2歳)のUV-IOL 5名、BB-IOL 8名である。
・IOL群の13名は、55〜80歳。
・ボディマス指数が18から28、女性では19から29など、厳しく制御した基準により約1200名のIOL患者から60人に絞り、更に睡眠状況や3週間の実験期間などから16名に絞り込み、最終的には13名を選択した。
・この3種類の光照射実験は、1週間の介在期間を置いて、約3週間の間、睡眠と覚醒サイクルを規則正しく保って行った。
・3.5時間の薄明順応後の夜10時に2時間の光を浴び、30分の薄明順応後に8時間の睡眠時間を取り、その後、2時間の薄明順応を行った。
・3回の光照射実験で、異なるものは、光源となる蛍光灯(6500 K、2500 K、3000 K)だけであり、照射順序はランダム化されている。
・最初に求めたものは、睡眠恒常性調節の特徴である活動の尺度となる、内因性メラトニンレベルが光曝露によって抑制されたかどうかである
・夜10時から行った光照射時の唾液のメラトニンレベルはBB-IOLでは23.3±2.6%、UV-IOLでは19.2±2.1%で、Ctrlの48.8±5.2%より有意に少なく(p<0.001)、光照射により抑制されていた。
・光照射時と睡眠後の注意力で測定した認知能の反応時間はUV-IOLでは276.9±11.1msec、BB-IOLでは348.3±17.8msecで両者間に有意差があり(p=0.002)、パフォーマンスの大幅な改善が観察された。
・最初の睡眠サイクルでの徐波の増加率はUV-IOLでは13.0±3.4%でCtrlの5.2±0.8%より有意に増加していた(p=0.02)。
・IOL手術だけでも睡眠の質は上がるが、殊に青い光(400ー530、peak 479nm)に反応するMelanopsinを含有する網膜神経節細胞によって刺激される概日リズムを最大限に生かせるUV-IOLを使用すればBB IOLよりも認知障害が改善される可能性がある。
・BB-IOLはUV-IOLの青色光の危険性に対する懸念と青視症修正のために開発されたものであるが、UV-IOLは非視覚機能の改善に役立つ可能性がある。(TY)

2019
137巻

傍乳頭脈絡血管密度と将来の視野障害進行の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 137巻 (6号) 2019

Association Between Parapapillary Choroidal Vessel Density Measured With Optical Coherence Tomography Angiography and Future Visual Field Progressionin Patients With Glaucoma
Hae Young-Lopilly Park et al (Korea)
JAMA 137(6): 681-688, 2019
108眼の緑内障患者でベースラインの傍乳頭脈絡血管密度が将来の緑内障進行と関係あるかβPPA領域でのOCTAを計測した
平均2.6年の観察期間で、視野障害と関係したのはDH(OR 5.57)、ベースラインMD(0.83)、傍乳頭脈絡血管密度(1.18)であったが、OCTでの進行は関連がなかった
βPPA領域での傍乳頭脈絡血管密度は進行といくらか関係ある可能性があり、注意深いモニターが必要(MM)

2019
137巻

Spaceflight-Associated Neuro-ocular Syndromeの頭蓋内、眼血流動態と眼圧の変化:運動およびスイミングゴーグルによる影響

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 137巻 (6号) 2019

Association of Exercise and Swimming Goggles With Modulation of Cerebro-ocular Hemodynamics and Pressures in a Model of Space flight-Associated Neuro-ocular Syndrome
Jessica M. Scott et al (USA)
JAMA Ophthalmol 137(6): 652-659, 2019
宇宙飛行士の最大70%が宇宙に行くと神経-眼球の変化(SANS)を生じる。頭蓋内圧の上昇、視力低下、視神経乳頭腫脹、眼球の平坦化、脈絡膜の皺、視神経鞘の膨張、cotton wool spotsがフライト中あるいはミッション終了後3ヶ月以上も持続する
通常眼圧15mmHg、頭蓋内圧(ICP)10mmHgのため、LCに後方へ正の圧勾配(TLPG)が生じるが、宇宙ではIOPよりICPの上昇が大きいためTLPGが負になることが原因とされる。
20名の健康な男性 平均36歳、180.2cm、81.5kg、BMI24.7、VO2max 38.2ml/kg/min
15分の仰臥位の後、-15°頭部低位に傾けた姿勢を15分
そのまま3種類のうちの一つのエクササイズを別々の日に実施
30分間(VO2maxの60%)の中等度のサイクルエルゴメーター運動
100%1RMのレッグプレス12回を4セット
4分間80%VO2max、3分休憩4セット
上記は現在宇宙飛行士が長期の宇宙フライトで行う方法に基づいている
呼吸器系や循環器系のパラメータの他に、左眼でIcarePRO眼圧計、右眼でTriggerfish眼圧計にて眼圧測定とcorneoscleral circumferenceを測定
10例は市販のスイミングゴーグルを装着し、眼圧が約3mmHg上昇するようにつける(レンズ部分はカットして眼圧測定が可能にしてある)
結果
<仰臥位→-15°HDT>
心拍数、心拍出量:変化なし
全頭蓋内流入量:変化なし
内頸動脈血流(ICA):4.4%増加 +13ml/min(P=.32)
椎骨動脈血流(VA):4.7%減少 -8ml/min(P=.13)
総流入血流:8.5%減少
総頸動脈血流(CCA):9.0%減少 -76ml/min(P<.001)
椎骨動脈血流(VA):4.7%減少 -8ml/min(P=.13)
中大脳動脈血流速度(MCA):2.5cm/s(P=.01)
静脈系
椎骨静脈血流(VV):20.5% -16ml/min(P=.02)
内頸静脈血流(IJV):変化なし
IOP、内頸静脈圧(IJVP)、外頸静脈圧(EJVP)は増加し、TLPGは約5倍減少した。(Fig1)
<-15°HDTでの運動による変化>
心拍数、心拍出量、VO2、換気能、収縮期血圧、拡張期血圧は上昇
特に高強度のエルゴメーターによる運動で認めた(Table1)
頭蓋内流入量:7.2%増加(P=.04)(Table2)
総流入量:24.7%増加(P<.001) 
ICA:9.1%増加 +42ml/min(P=.001)
CCA:30%減少 +227ml/min(P<.001)
              VA:変化なし
              MCAやコンダクタンス(伝導度):変化なし
              VV:+18ml/min(P=.004)
IJV変化なし
運動強度には違いなし
IOP 7.4%(-1.6mmHg)減少、IJVP,EJVPは変化なし、結果TLPGは-3.5mmHg低下(Table1)
<スイミングゴーグル装着>(Table3)
仰臥位とHDTではIOPが約3mmHg上昇→TLPG上昇だが、
運動負荷ではTLPGは変化なし
<Corneoscleral Circumference>(Fig2)
Spine→HDT:増加 10.6mVEq
HDT→HDT+運動:増加 15.4mVEq
宇宙滞在中の骨格筋退縮予防に運動を行うが、それによってTLPGのさらなる低下が生じるが、スイミングゴーグル装着はTLPGの低下を一部緩和すると考えられる。長期宇宙滞在中にIOPを上昇させることの安全性についてさらなる調査が必要。(MM)

2019
137巻

緑内障での篩状板欠損とRNFL欠損の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 137巻 (4号) 2019

Association Between Lamina Cribrosa Defects and Progressive Retinal Nerve Fiber Layer Loss in Glaucoma
Sasan Moghimi, et al. (UCSD,USA)
JAMA Opthhalmol 137(4), 425-433, 2019
篩状板(LC)の欠損の有無でPOAG患者のRNFL欠損速度、およびLC欠損患者の緑内障進行に関与する因子を調べる
LC欠損あり43名51眼、LC欠損なし68名83眼を2012.4月から2017.5月まで平均3.5年調査した 6ヶ月毎の検査 経過観察中にLC欠損なし→ありになったものはなかった
LC欠損有群の方がRNFLの変化は約2倍進行が早かった(Grobalで-0.91vs-0.48μm/y)
上耳側、下耳側、下鼻側でも同様であり、LC欠損部と相関していた
LC欠損群では経過観察期間中の平均眼圧と進行速度の関係は認めなかったが、角膜の薄さのみ関係があった
緑内障患者のマネジメントではLC欠損や角膜厚に注意する必要がある(MM)

2019
21巻

ブルーライトフィルターIOLの網膜保護に関するシステマティックレビューの解析

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 21巻 (2号) 2019

Analysis of a Systematic Review About Blue Light-Filtering Intraocular Lenses for Retinal Protection
Understanding the Limitations of the Evidence
Laura E. Downie et al (Australia)
JAMA 21(2): Online publish E1-E4, 2019
ブルーライトをカットするIOLが網膜保護に関して有用かどうか51のRCTを厳密に調べてみると、統計の不備、バイアスの問題、COIの不備などで、現時点では本当に網膜の保護効果があるかのエビデンスははっきりしない。その点を理解して利用すべきである。(MM)

2019
137巻

角膜保存時間試験における角膜内皮細胞密度損失率増加に関連するドナー、レシピエント、及び手術要因

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 137巻 (2号) 2019

Donor, Recipient, and Operative Factors Associated With Increased Endothelial Cell Loss in the Cornea Preservation Time Study
Jonathan H. Lass, et al. (GO,USA)
JAMA Ophthalmol. 2019;137(2): 185·193.
目的: DSAEK術後3年間の角膜内皮細胞密度(ECD)に関連するドナー、レシピエント、手術上の要因を評価した。
対象と方法:DSAEKを受けた1090人1330眼。平均年齢70±9歳、男性39%、女性61%、3年間経過観察した。フックス角膜内皮ジストロフィー1015人(93%)、原発性内皮機能不全75人(7%)。
また。無作為に角膜保存期間(PT)0〜7日(n = 675)または8〜14日(n = 655)のドナー角膜を受けるようにした。
結果:1330眼中913眼で術前および術後3年目に適切な角膜内皮画像を撮影でき、機能している移植片があったのでこの分析に含めた。
術後3年の低いECDに関連する要因は、ドナーの糖尿病、ドナー角膜の低いECD、原発性内皮機能不全のレシピエントおよび手術合併症であった。
他の角膜保存期間、ドナー、レシピエント、または手術的要因は、3年間のECDと関連していなかった。
結論:ドナーの糖尿病、ドナー角膜の低いECD、原発性内皮機能不全のレシピエントおよび手術合併症はDSAEK手術後3年目の低いECDと関連しており、長期間の移植片維持と関連している可能性がある。
ドナーの選択を最適化し、手術合併症を最小限に抑えると、ECD損失を最小限に抑え、DSAEK後の移植片の生存率を向上させると思われる。(CH)

2018
136巻

落屑症候群と鼠径ヘルニア

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (12号) 2018

Association of exfoliation syndrome with risk of indirect inguinal hernia. The Utah Project on Exfoliation Syndrome.
Besch BM et al(UT USA)
JAMA Ophthalmology 136(12): 1368-1374, 2018
・落屑症候群XFSは全身的な結合組織病であるし、異常な結合組織の代謝は鼠径ヘルニアの形成とも関連している。
・落屑症候群は全身的な細胞外基質ECMの変異を引き起こし、弾性繊維代謝に影響を与えている。
・ヘルニアは異常なECM合成、代謝、修復によって発生するもので、鼠径ヘルニアは腹部/股間壁の弱体化や破裂の影響を受けている。
・Utah病院の1996-2015年の健康管理システムを利用し、40歳以上の2,594名の鼠径ヘルニアを抽出し、12,966名の年齢、性をマッチさせたコントロ-ル群と比較した。
・人種は多くは白人(2532/2594と12454/12966)で女性は全体の9.6%であった。
・鼠径ヘル患者のうち22名、CTRLの43名がXFSであり、鼠径ヘルニアでは2.31倍(95%CI=1.38-3.45 p=0.03)XFSと診断される人が多かった。
・内訳は内鼠径ヘルニアが1.60倍(95%CI=0.36-3.79 p=0.40)、外鼠径ヘルニアが12.32倍(95%CI=3.97-38.70 p=0.002)である。(TY)

2018
136巻

アルツハイマ-病にOCT-Aが役立つか

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (11号) 2018

Association of preclinical Alzheimer disease with optical coherence tomographic angiography findings.
O’Bryhim BE et al(MO USA)
JAMA Ophthalmol 136(11): 1242-1248, 2018
・無症状のアルツハイマ-病(AD)にOCT-Aが役立つかどうかを神経精神的検査を受けた認知が正常で、眼病のない30名58眼を用いて調査した。
・症例はCharles F. & Joanne Knight Alzheimer Disease Research Center (Washington大学, St Louis)の患者から選択した。
・全例がPET検査か、脊髄液検査CSFでbiomarkerを調べた。
・PET biomarkerは27名が受け7名が陽性で、CSF biomarkerは28名が受け10名が陽性であり、preclinical ADと診断された。

・53%が女性で、74.5±5.6歳(62-92歳)、1名の米国黒人と29名の白人である。
・14例はADのbiomarker陽性でpreclinical ADと診断され(73.5±4.7歳)、陰性の16例をCtrlとした(75.4±6.6歳)。
・Biomarkar陽性群では中心窩無血管野が拡大していた(0.364±0.095:0.275±0.060mm2 p=0.002)。
・中心小窩の厚みは陽性群で薄かった(66.0±9.9:75.4±10.6μm p=0.03)。
・なお、現在、preclinical ADの治療治験が始まっており、2022年に終了予定。(TY)

2018
136巻

線維柱帯切除術の成功率の違い:アフリカ人とヨーロッパ人

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (10号) 2018

Observation outcomes of initial trabeculectomy with mitomycin C in patients of African descent vs patients of Europeal descent. Five-year results.
Nguyen AH et al(CA USA)
JAMA Ophthalmol 136(10): 1106-1113, 2018
・代謝拮抗剤を使用しない場合には、Aflicanは線維柱帯切除後の不成功率が高いことが知られている。
・Mitomycin Cを使用した場合の初回手術でもAflicanはEuropeanより成功率が低いのかどうかを検討した。
・105名135眼のAflicanと、年齢、性、術者、水晶体の状態、経過年を合わせた117例135眼のEuropeanと比較した。
・成功の基準として、A:眼圧18以下、B:15以下、C:12以下とした。
・その他に、眼圧下降率が20%以上、25%以上、30%以上、2種類以上の点眼薬減を判定基準とした。
・5年後の成功率はAflican:Europeanで、A基準では61%:67%(7.3%差 95%CI=4.4-10.4)、B基準では43%:60%(17.6%差 95%CI=15.2-20.0)、C基準では25%:40%(15.8%差 95%CI=11.1-20.5)であり、B基準、C基準やその他の基準でも、Aflicanは有意に不成功率が高かった。
・濾過胞からの漏出ではAflicanはEuropeanより有意に多かった(29眼:11眼 p=0.002)し、Aflicanは緑内障再手術を受けた人も多かった(47眼:26眼 p=0.004)。(TY)

2018
136巻

白内障手術と交通事故の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (9号) 2018

Association of Cataract Surgery with Traffic Crashes
Mtthew B Schlenker, et al. (Canada): 
JAMA Ophthalmol 136(9):998-1007, 2018
2006年4月1日から2016年3月31日までにオンタリオで初回白内障単独手術を受けた65歳以上の患者(n=559546)名を調査し、白内障手術によって交通事故のリスクが減るか調べた
手術前最低4年、手術後最低1年の経過観察
年齢/性別/社会的地位や居住地の他に、眼疾患、基礎疾患、救急受診した交通事故歴を調査(ただし、救急受診するほど出ない軽傷や、その場で死亡が宣告される場合はデータベースに含まれない)
平均年齢76歳、58%が女性、86%が都市部居住、71%が1年以内に他眼の白内障手術、0.4%がA-Vit実施
6482件の交通事故による救急受診が生じて、4680件が術前6ヶ月以上前、602件が手術前6M以内、1200件が術後13Mで生じた。1ヶ月あたりの事故件数は、術前6Mが101.7、術後が92.3件であった。1000患者-年あたり2.36→2.14件、OR0.91であった。
その他、事故歴、手術直前の時期、若年、男性、救急受診歴、6科以上の外来受診歴、不安、肺気腫、変形性関節症、心筋梗塞の既往はORが高かった。
運転者以外での交通事故(同乗者/歩行者)、転倒、股関節骨折、足首捻挫、抑鬱、総救急受診数は手術前後で変化なし
結論:白内障手術は65歳以上の運転による重大事故を少し低下させる(MM)

2018
136巻

小児アトピー性皮膚炎と白内障の発生と手術の関連

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (8号) 2018

Association of Pediatric Atopic Dermatitis and Cataract Development and Surgery
Hyun Sun Leon, et al. (Korea)
JAMA Ophthalmol. 2018:136(8):912·918.
目的:小児集団におけるアトピー性皮膚炎(AD)と白内障発生率と白内障手術との関連について検討した。
対象と方法:小児のアトピー性皮膚炎患者34375人(男児53%、女児47%、平均年齢3.47±4.96歳)、条件の一致したコントロール群137500人。
AD 患者のうち3734人が重篤なAD(男児58%、女児42%、平均年齢4.55±5.50歳)だった。条件の一致したコントロール群11089人
経過観察期間10年。
ADの診断基準:皮膚症状と経口坑ヒスタミン剤使用、ステロイド軟膏使用、あるいは免疫抑制剤軟膏使用。
重篤なADは上記の薬剤に加え、2週間以上のシクロスポリンなどの免疫抑制剤内服、抗IgE抗体製剤、ステロイド内服の既往。
結果:白内障を認めたのはAD 群42人(0.12%)、コントロール群195人(0.14%)、重篤なAD群11人(0.29%)、コントロール群20人(0.18%)で、白内障の発生はAD群とコントロール群で有意差はなかった。(P=0.32) (P=0.06)
白内障手術はAD 群14人(0.04%)、コントロール群26人(0.04%)に行われた。(P=0.02)
重篤なAD群4人(0.11%)、コントロール群6人(0.05%)で、AD群の方が有意に手術件数が多かった。(P=0.03)
ステロイド使用有りAD患者28820人(83.8%)、ステロイド使用無しのAD患者5555人(16.2%)だった。白内障発生率と白内障手術の確率に有意差はなかった。(P = 0.70)(P = 0.19)。
結論:長期経過観察でもADの有無にかかわらず、ADの小児の白内障発生率は稀で、白内障手術の必要性は非常に低いことがわかった。しかし、重篤なADの小児患者は手術を必要とする可能性がある白内障発症のリスクが高い。疾患の重症度は、白内障発症のリスクおよび白内障手術の必要性を増加させる可能性がある。
白内障は管理しやすい合併症であるが、特に重篤なADの場合には注意深く経過観察する必要がある。(CH)

2018
136巻

糖尿病網膜症におけるOCT-Aでの黄斑部血管濃度と視力との関連

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (7号) 2018

Association between vessel density and visual acuity in patients with diabetic retinopathy and poorly controlled type 1 diabetes.
Dupas B et al(France)
JAMA Ophthaomol 136(7): 721-728, 2018
・糖尿病網膜症の特徴は毛細血管の脱落であるため、黄斑部の血管濃度と視力との関連を、黄斑症はないが両眼の急速な進行性網膜症で、汎網膜光凝固が必要であった40歳未満の若い1型糖尿病者22名で検討した。
・年齢は33±6歳、HbA1cは8.9±1.6%である。
・対象は視力正常な群(1.0以上)13例(59%)と視力不良群(1.0未満:logMAR 0.12±0.04:小数点視力0.76)9例(41%)に分け、視力正常で年齢をマッチさせた12眼の正常者をCtrl群とした。
・OCT-Aは深さにより4群に分けた。Superficial vascular plexus(SVP)、Deep capillary complex(DCC)、Intermediate capillary plexsus(ICP)、Deep capillary plexus(DCP)である。
・平均血管濃度は視力良好なDM群はCtrl群と比較し、SVPは44.1±0.9:49.1 ±0.9%(p<0.001)、DCCでは44.3±1.2:50.6±1.3%(p=0.001)、ICPでは43.8±1.2:49.3±1.2%(p=0.003)、DCPでは24.5±1.0:30.5±1.0%(p<0.001)と有意差があった。
・視力不良群と良好群を比較すると、DCCでは34.6±1.5:44.3(p<0.001)、殊にDCPでは15.2±1.2:24.5(p<0.001)と深層の有意差が強く、SVPでも39.6±1.1:44.3(p=0.002)と有意差あったが、深層よりは少なかった。
・DMRの視力は殊にdeep capillary complexの毛細血管の脱落程度と相関していた。(図4)(TY)

2018
136巻

抗コリン薬とAMD発症との関連

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (7号) 2018

Association of anticholinergic drug use with risk for late age-related macular degeneration.
Aldebert G et al(France)
JAMA Ophthaomol 136(7): 770-778, 2018
・Amyloid-βは網膜ドルーゼンやAMDの原病巣の主要な構成要素であり、抗コリン薬(ACD)が大脳のamyloid-βの蓄積を増やすことが分っているため、ACDと末期AMD(新生血管AMDあるいは最低1眼のRPEの地図状萎縮)との関連について、200名の末期AMDと200名の年齢、性をマッチさせたCtrlで比較検討した。
・抗コリン薬:アセチルコリンを阻害し、副交感神経遮断薬で、うつ病やパーキンソン病などに使用されており、アルツハイマー病などの認知症の発症リスクが高まる可能性も指摘されている。
・AMDと診断される前にACDに最低3か月暴露した人を対象としている。
・年齢は74.8±9.2歳、女性が129名(64.5%)、白人が192名(96%)、地図状萎縮が65名(32.5%)、新生血管AMDが135名(67.5%)、両眼AMDが84眼(42%)である。
・AMDの26例(13%)とCtrlの10例(5%)が少なくともAMD発症3か月前にACDに暴露されている。
・AMDの発症リスクはACDに暴露されるとOR=2.84倍になっており(95%CI=1.33-6.06 p=0.07)、15年以上の長期ACD暴露ではOR=5.88(95%CI=1.22-28.31 p=0.03)であった。
・ACDに最低3か月暴露されるとAMDのリスクは上昇し、長期使用では更に関連が強まっていた。(表1)(TY)

2018
136巻

CL型眼圧測定による24時間眼圧と視野進行の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (7号) 2018

Association Between 24-Hour Intraocular Pressure Monitored With Contact Lens Sensor and Visual Field Progression in Olde Adults With Glaucoma
Carlos Gustavo De Moaraes, et al. (Columbia)
JAMA Ophthalmol 136(7):779-785, 2018
1999/11/8~ 2016/9/17に13カ国、50施設で行われた、Triggerfish Consortiumに集まった1355眼のうち、445例445眼の緑内障患者を対象とした。
mean peak ratio while awake、number of long peaks during sleep、 night bursts ocular pulse frequency SD, night bursts ocular pulse amplitude SDが早い視野進行と関係していた
Triggerfishは厳密には眼圧計ではなく、眼圧変動による眼球形状の変化を捉えるセンサー
測定までに治療方法が変更になっていることも考えられるが、1回の測定でそれまでの進行との関係を示唆する指標となり、GATを何度も測定するよりもよい。(MM)

2018
136巻

ブラックチョコレ-トの視力改善効果

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (6号) 2018

Effects of milk vs dark chocolate consumption on visual acuity and contrast sensitivity within 2 hours. A randomized clinical trial.
Rabin JC et al(TX USA)
JAMA Ophthalmol 136(6): 678-681, 2018
・抗酸化作用の強い「カカオポリフェノ-ル」やリラックス効果が高い「テオブロミン」が豊富に含まれたカカオマスが40%以上含まれるブラックチョコレ-トが視力に影響するかどうかを検討した
・72%カカオブラックチョコレ-ト(47gカカオ、34gフラバノ-ル)とミルクチョコレ-ト(40gココア、12.5gフラバノ-ル)を摂取した1.75時間後に比較した。
・logMARでの視力測定とlogCS最小コントラスト認知を30名(26±5歳)で交互に測定した。
・ブラック群のlogCSは1.45±0.04で、ミルク群の1.30±0.05より0.15logCS良く(95%CI=0.08-0.22 p<0.001)、logMAR視力改善はブラック群では—0.22±0.01、ミルク群では-0.18±0.01で、0.04 logMAR.05)余計に改善した(TY)

2018
136巻

網膜色素変性症の進行抑制にビタミンAは有効か

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (5号) 2018

Association of vitamin A supplementation with disease course in children with retinitis pigmentosa.
Berson EL et al(MA USA)
JAMA Ophthalmol 136(5): 490-495, 2018
・網膜色素変性症の小児で、ビタミンAを摂取した55名と、摂取しない25名とで、1976年から2016年にかけて行った臨床実験で、平均4年から5年間比較した。
・30Hzフラッシュでのfull-fieldの錐体ERGの振幅を指標とした。
・VitA群:Ctrl群は、男性38名(69%):19名(76%)、年齢は9.1±1.9:9.2±1.7歳、48名(87%):25名(100%)が白人、6名(11%)がアジア系、1名(2%)が黒人である。
・1年の変化率は未調整ではVitA群:Ctrl群が-0.0713:-0.1419 log(e)で差は0.0706(95%CI=0.0149-0.1263 p=0.01)。調整した差は0.0771 (95%CI=0.0191-0.1350 p=0.009)である
・Vit Aパルミチン酸塩は小児の網膜色素変性症の錐体ERG振幅の減少を抑えることができたが、その理由は謎である(Klaver CCWコメント,pp496-497)。(TY)

2018
136巻

近視眼と緑内障眼での傍視神経乳頭部の毛細血管濃度の変化

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (5号) 2018

Association of myopia with peripapillary perfused capillary density in patients with glaucoma. An Optical coherence tomography angiography study.
Suwan Y et al(NY USA)
JAMA Ophthalmol 136(5): 507-513, 2018
・3D以上の近視眼で、POAGの有無によるperipapillary perfused capillary density(PCD)をOCT-A(4.5mm x 4.5mm)で測定して比較した
・POAGの近視87例67.5±12.0歳、POAGのない近視17例48.2±19.0歳、POAGの非近視93例67.3±11.0歳、Ctrl 51例64.7±8.9歳で行った。
・PCD値はCtrlで41.0±4.2、POAGのない近視で38.4±5.8、POAGの非近視で31.9±7.5、POAGの近視で28.2±6.0であり、いずれもp<0.001で減少していた
・年齢、眼軸で調整後のCtrl眼との差はPOAGの近視で-11.1(95%CI=-14.0~-8.1 p<0.001)、POAGの非近視が-8.6(95%CI=-10.9~-6.3 p<0.001)、POAGのない近視が-2.8(95%CI=-6.9~1.2 p=0.17)であった。
・緑内障と近視の間には何ら相互関係は見られなかった。周視神経乳頭の微小血管の減少は、近視よりもPOAGで強いことが分ったが因果関係は不明である。(TY)

2018
136巻

眼圧上昇がもらたす視神経乳頭変化と機能変化

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (2号) 2018

Association of functional loss with the biomechanical response of the optic nerve head to acute transient intraocular pressure elevations.
Tun TA et al(Singapore)
JAMA Ophthalmol 136(2): 184-192, 2018
・眼圧上昇に対する視神経乳頭ONHの急性の生体力学的な反応が緑内障進行の生体視標になるかどうかを検討した。
・23名のPOAG、45名のPACG、23名の緑内障のない中国人(計91名、65.48±7.23歳)で検討した。
・ONHのOCT像をbaselineとOphtalmodynamometerを使用して前部強膜に力をかけて求めた2回の連続した眼圧上昇時(0.64Nと0.90N)で、OCTでの容積、篩状板の深さ(LCD)、最小リム幅(MRW)を求めた。
・自動視野計での平均偏差MD、視野index(VFI)も求めた。
・急激な一過性の眼圧上昇は強膜管開口を広げ、篩板に張りがあれば前方へ引っ張ると考えられる。
・一方、強膜に張りがなければ、強膜管が拡張できず、眼圧上昇は篩板を後方へ押すだろう。
・今回のPOAGでの検討では、視野欠損の強いものほど、眼圧上昇時の篩板の前方移動が強く起こり、視野欠損の少ないものでは篩板の後方移動がおこっていた。
・このような篩板の特徴的な移動はPACGでは起こっていなかった。
・これは遺伝によるものなのか、眼圧ストレスに対するONHの脆弱性なのかは不明である。
・POAGでは最初の眼圧上昇でのLCDの前方移動がMD(R=-0.64 95%CI=-0.97~-0.31 p=0.01)とVFI(R=-0.57 95%CI=-0.94~-0.19 p=0.05)に相関していた。
・また、最初の眼圧上昇でのMRWの減少はMD(R=-0.48 95%CI=-0.86~-0.09 p=0.02)とVFI(R=-0.57 95%CI=-0.94~-0.20 p=0.04)に相関し、2回目の眼圧上昇でのMRWの減少はMD(R=-0.56 95%CI=-0.98~-0.13 p=0.01)とVFI(R=-0.60 95%CI=-1.03~-0.17 p=0.08)に相関していた。
・また、2回目の眼圧上昇時での、下耳側のMRWの減少とPOAGでの該当する視野変化には相関があった(p=-0.55 95%CI=-0.78~-0.18 p=0.06)。
・PACGにはこのような関連はみられなかった(TY)

2017
135巻

DSAEK後3年での角膜内皮細胞密度損失と角膜保存期間

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (12号) 2017

Corneal Endothelial Cell Loss 3 Years After Successful Descemet Stripping Automated Endothelial keratoplasty in the Cornea Preservation Time Study
A Randomized Clinical Trial
Jonathan H.lass,et al.(OH USA)
JAMA Ophthalmol. 2017;135(12):1394-1400.
・目的:角膜の透明性を保っているDSAEK後3年の症例の角膜内皮細胞密度(ECD)損失と角膜保存期間(PT)と関連があるか調べる。
・対象と方法: DSAEKの適応がある769人945眼。フックス角膜内皮変性症(94%)、偽水晶体眼または無水晶体眼の角膜浮腫(6%)の内皮機能不全。平均年齢70歳。
・症例を0〜7日間のPT(0〜7 d PT群:n = 485)または8〜14日間のPT(8〜14 d PT群:n = 460)のドナー角膜を受け取るようにランダムに割り当てた。
・結果:術前平均ECDは、0〜7d PT群2746(297)cells/mm2、8〜14d PT群2723(284)cells/mm2
・術後3年で、平均ECDは0-7d PT群では1722 (626) cells/mm2 (37%減)、8-14d PT群では1642 (631) cells/mm2(40%減)ベースラインから減少した。
・術後4年後では0〜7d PT群203眼、1620 (673) cells/mm2 (41%減)、8〜14d PT 209眼、1537 (683) cells/mm2(44%減)ベースラインから減少した。
・結論:DSAEKの3年後には角膜のECDと長いPTの間に統計学的に有意な関連が認められたが、臨床的に類似していた。
・物流上の理由で12〜14日間保存されたドナー組織も使用できると考えられる。(CH)

2017
135巻

角膜内皮細胞移植術(DSAEK)の成功に対する角膜保存時間の影響

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (12号) 2017

Effect of Cornea Preservation Time on Success of Descemet Stripping Automated Endothelial Keratoplasty
George O. Rosenwasser,et al.(OH USA)
JAMA Ophthalmol. 2017;135(12):1401-1409
・目的:8〜14日間保存された角膜ドナー組織を使用したDSAEKの術後3年目の成功率が、7日間以下の保存期間のドナー組織のそれより劣らないかどうかを判断する。
・対象と方法:保存期間7日以内 675眼、保存期間8〜14日 655眼、平均年齢70歳(42-90歳)、フックス角膜内皮変性症 94.4%。
・ドナー角膜の平均年齢61歳、平均内皮細胞密度2735(298)cells / mm2
・結果:3年経過観察できたのは7日以内584眼、8〜14日558眼
・3年間角膜透明性を保っていたのは7日以内95.3%、8〜14日92.1%
・移植成功率は、PTが増加するにつれて減少する傾向があった。12〜14日のPTで89.3%、5日〜7日のPTは94.9%。
・術後合併症 移植片剥離 7日以内33眼(4.9%)、8〜14日53眼(8.1%)、前房内空気再注入 7日以内54眼(8.0%)、8〜14日85眼(13.0%)(p=0.003)、細菌性眼内炎 7日以内1眼(0.3%)、8〜14日2眼(0.3%)
・再移植 7日以内 28眼、8〜14日 44眼
・結論:より長いPTとより低い移植片成功率との間に有意な関連があった。しかし、11日目までは、移植片の成功率に対するPTの影響は小さかった。
・DSAEK術後3年の成功率は、PTにかかわらず高かった。より長いPTはより低い成功率と関連していたが、PTが12日未満では差は小さかった。(CH)

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