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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2019
21巻

ブルーライトフィルターIOLの網膜保護に関するシステマティックレビューの解析

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 21巻 (2号) 2019

Analysis of a Systematic Review About Blue Light-Filtering Intraocular Lenses for Retinal Protection
Understanding the Limitations of the Evidence
Laura E. Downie et al (Australia)
JAMA 21(2): Online publish E1-E4, 2019
ブルーライトをカットするIOLが網膜保護に関して有用かどうか51のRCTを厳密に調べてみると、統計の不備、バイアスの問題、COIの不備などで、現時点では本当に網膜の保護効果があるかのエビデンスははっきりしない。その点を理解して利用すべきである。(MM)

2018
136巻

落屑症候群と鼠径ヘルニア

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (12号) 2018

Association of exfoliation syndrome with risk of indirect inguinal hernia. The Utah Project on Exfoliation Syndrome.
Besch BM et al(UT USA)
JAMA Ophthalmology 136(12): 1368-1374, 2018
・落屑症候群XFSは全身的な結合組織病であるし、異常な結合組織の代謝は鼠径ヘルニアの形成とも関連している。
・落屑症候群は全身的な細胞外基質ECMの変異を引き起こし、弾性繊維代謝に影響を与えている。
・ヘルニアは異常なECM合成、代謝、修復によって発生するもので、鼠径ヘルニアは腹部/股間壁の弱体化や破裂の影響を受けている。
・Utah病院の1996-2015年の健康管理システムを利用し、40歳以上の2,594名の鼠径ヘルニアを抽出し、12,966名の年齢、性をマッチさせたコントロ-ル群と比較した。
・人種は多くは白人(2532/2594と12454/12966)で女性は全体の9.6%であった。
・鼠径ヘル患者のうち22名、CTRLの43名がXFSであり、鼠径ヘルニアでは2.31倍(95%CI=1.38-3.45 p=0.03)XFSと診断される人が多かった。
・内訳は内鼠径ヘルニアが1.60倍(95%CI=0.36-3.79 p=0.40)、外鼠径ヘルニアが12.32倍(95%CI=3.97-38.70 p=0.002)である。(TY)

2018
136巻

アルツハイマ-病にOCT-Aが役立つか

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (11号) 2018

Association of preclinical Alzheimer disease with optical coherence tomographic angiography findings.
O’Bryhim BE et al(MO USA)
JAMA Ophthalmol 136(11): 1242-1248, 2018
・無症状のアルツハイマ-病(AD)にOCT-Aが役立つかどうかを神経精神的検査を受けた認知が正常で、眼病のない30名58眼を用いて調査した。
・症例はCharles F. & Joanne Knight Alzheimer Disease Research Center (Washington大学, St Louis)の患者から選択した。
・全例がPET検査か、脊髄液検査CSFでbiomarkerを調べた。
・PET biomarkerは27名が受け7名が陽性で、CSF biomarkerは28名が受け10名が陽性であり、preclinical ADと診断された。

・53%が女性で、74.5±5.6歳(62-92歳)、1名の米国黒人と29名の白人である。
・14例はADのbiomarker陽性でpreclinical ADと診断され(73.5±4.7歳)、陰性の16例をCtrlとした(75.4±6.6歳)。
・Biomarkar陽性群では中心窩無血管野が拡大していた(0.364±0.095:0.275±0.060mm2 p=0.002)。
・中心小窩の厚みは陽性群で薄かった(66.0±9.9:75.4±10.6μm p=0.03)。
・なお、現在、preclinical ADの治療治験が始まっており、2022年に終了予定。(TY)

2018
136巻

線維柱帯切除術の成功率の違い:アフリカ人とヨーロッパ人

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (10号) 2018

Observation outcomes of initial trabeculectomy with mitomycin C in patients of African descent vs patients of Europeal descent. Five-year results.
Nguyen AH et al(CA USA)
JAMA Ophthalmol 136(10): 1106-1113, 2018
・代謝拮抗剤を使用しない場合には、Aflicanは線維柱帯切除後の不成功率が高いことが知られている。
・Mitomycin Cを使用した場合の初回手術でもAflicanはEuropeanより成功率が低いのかどうかを検討した。
・105名135眼のAflicanと、年齢、性、術者、水晶体の状態、経過年を合わせた117例135眼のEuropeanと比較した。
・成功の基準として、A:眼圧18以下、B:15以下、C:12以下とした。
・その他に、眼圧下降率が20%以上、25%以上、30%以上、2種類以上の点眼薬減を判定基準とした。
・5年後の成功率はAflican:Europeanで、A基準では61%:67%(7.3%差 95%CI=4.4-10.4)、B基準では43%:60%(17.6%差 95%CI=15.2-20.0)、C基準では25%:40%(15.8%差 95%CI=11.1-20.5)であり、B基準、C基準やその他の基準でも、Aflicanは有意に不成功率が高かった。
・濾過胞からの漏出ではAflicanはEuropeanより有意に多かった(29眼:11眼 p=0.002)し、Aflicanは緑内障再手術を受けた人も多かった(47眼:26眼 p=0.004)。(TY)

2018
136巻

白内障手術と交通事故の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (9号) 2018

Association of Cataract Surgery with Traffic Crashes
Mtthew B Schlenker, et al. (Canada): 
JAMA Ophthalmol 136(9):998-1007, 2018
2006年4月1日から2016年3月31日までにオンタリオで初回白内障単独手術を受けた65歳以上の患者(n=559546)名を調査し、白内障手術によって交通事故のリスクが減るか調べた
手術前最低4年、手術後最低1年の経過観察
年齢/性別/社会的地位や居住地の他に、眼疾患、基礎疾患、救急受診した交通事故歴を調査(ただし、救急受診するほど出ない軽傷や、その場で死亡が宣告される場合はデータベースに含まれない)
平均年齢76歳、58%が女性、86%が都市部居住、71%が1年以内に他眼の白内障手術、0.4%がA-Vit実施
6482件の交通事故による救急受診が生じて、4680件が術前6ヶ月以上前、602件が手術前6M以内、1200件が術後13Mで生じた。1ヶ月あたりの事故件数は、術前6Mが101.7、術後が92.3件であった。1000患者-年あたり2.36→2.14件、OR0.91であった。
その他、事故歴、手術直前の時期、若年、男性、救急受診歴、6科以上の外来受診歴、不安、肺気腫、変形性関節症、心筋梗塞の既往はORが高かった。
運転者以外での交通事故(同乗者/歩行者)、転倒、股関節骨折、足首捻挫、抑鬱、総救急受診数は手術前後で変化なし
結論:白内障手術は65歳以上の運転による重大事故を少し低下させる(MM)

2018
136巻

小児アトピー性皮膚炎と白内障の発生と手術の関連

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (8号) 2018

Association of Pediatric Atopic Dermatitis and Cataract Development and Surgery
Hyun Sun Leon, et al. (Korea)
JAMA Ophthalmol. 2018:136(8):912·918.
目的:小児集団におけるアトピー性皮膚炎(AD)と白内障発生率と白内障手術との関連について検討した。
対象と方法:小児のアトピー性皮膚炎患者34375人(男児53%、女児47%、平均年齢3.47±4.96歳)、条件の一致したコントロール群137500人。
AD 患者のうち3734人が重篤なAD(男児58%、女児42%、平均年齢4.55±5.50歳)だった。条件の一致したコントロール群11089人
経過観察期間10年。
ADの診断基準:皮膚症状と経口坑ヒスタミン剤使用、ステロイド軟膏使用、あるいは免疫抑制剤軟膏使用。
重篤なADは上記の薬剤に加え、2週間以上のシクロスポリンなどの免疫抑制剤内服、抗IgE抗体製剤、ステロイド内服の既往。
結果:白内障を認めたのはAD 群42人(0.12%)、コントロール群195人(0.14%)、重篤なAD群11人(0.29%)、コントロール群20人(0.18%)で、白内障の発生はAD群とコントロール群で有意差はなかった。(P=0.32) (P=0.06)
白内障手術はAD 群14人(0.04%)、コントロール群26人(0.04%)に行われた。(P=0.02)
重篤なAD群4人(0.11%)、コントロール群6人(0.05%)で、AD群の方が有意に手術件数が多かった。(P=0.03)
ステロイド使用有りAD患者28820人(83.8%)、ステロイド使用無しのAD患者5555人(16.2%)だった。白内障発生率と白内障手術の確率に有意差はなかった。(P = 0.70)(P = 0.19)。
結論:長期経過観察でもADの有無にかかわらず、ADの小児の白内障発生率は稀で、白内障手術の必要性は非常に低いことがわかった。しかし、重篤なADの小児患者は手術を必要とする可能性がある白内障発症のリスクが高い。疾患の重症度は、白内障発症のリスクおよび白内障手術の必要性を増加させる可能性がある。
白内障は管理しやすい合併症であるが、特に重篤なADの場合には注意深く経過観察する必要がある。(CH)

2018
136巻

糖尿病網膜症におけるOCT-Aでの黄斑部血管濃度と視力との関連

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (7号) 2018

Association between vessel density and visual acuity in patients with diabetic retinopathy and poorly controlled type 1 diabetes.
Dupas B et al(France)
JAMA Ophthaomol 136(7): 721-728, 2018
・糖尿病網膜症の特徴は毛細血管の脱落であるため、黄斑部の血管濃度と視力との関連を、黄斑症はないが両眼の急速な進行性網膜症で、汎網膜光凝固が必要であった40歳未満の若い1型糖尿病者22名で検討した。
・年齢は33±6歳、HbA1cは8.9±1.6%である。
・対象は視力正常な群(1.0以上)13例(59%)と視力不良群(1.0未満:logMAR 0.12±0.04:小数点視力0.76)9例(41%)に分け、視力正常で年齢をマッチさせた12眼の正常者をCtrl群とした。
・OCT-Aは深さにより4群に分けた。Superficial vascular plexus(SVP)、Deep capillary complex(DCC)、Intermediate capillary plexsus(ICP)、Deep capillary plexus(DCP)である。
・平均血管濃度は視力良好なDM群はCtrl群と比較し、SVPは44.1±0.9:49.1 ±0.9%(p<0.001)、DCCでは44.3±1.2:50.6±1.3%(p=0.001)、ICPでは43.8±1.2:49.3±1.2%(p=0.003)、DCPでは24.5±1.0:30.5±1.0%(p<0.001)と有意差があった。
・視力不良群と良好群を比較すると、DCCでは34.6±1.5:44.3(p<0.001)、殊にDCPでは15.2±1.2:24.5(p<0.001)と深層の有意差が強く、SVPでも39.6±1.1:44.3(p=0.002)と有意差あったが、深層よりは少なかった。
・DMRの視力は殊にdeep capillary complexの毛細血管の脱落程度と相関していた。(図4)(TY)

2018
136巻

抗コリン薬とAMD発症との関連

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (7号) 2018

Association of anticholinergic drug use with risk for late age-related macular degeneration.
Aldebert G et al(France)
JAMA Ophthaomol 136(7): 770-778, 2018
・Amyloid-βは網膜ドルーゼンやAMDの原病巣の主要な構成要素であり、抗コリン薬(ACD)が大脳のamyloid-βの蓄積を増やすことが分っているため、ACDと末期AMD(新生血管AMDあるいは最低1眼のRPEの地図状萎縮)との関連について、200名の末期AMDと200名の年齢、性をマッチさせたCtrlで比較検討した。
・抗コリン薬:アセチルコリンを阻害し、副交感神経遮断薬で、うつ病やパーキンソン病などに使用されており、アルツハイマー病などの認知症の発症リスクが高まる可能性も指摘されている。
・AMDと診断される前にACDに最低3か月暴露した人を対象としている。
・年齢は74.8±9.2歳、女性が129名(64.5%)、白人が192名(96%)、地図状萎縮が65名(32.5%)、新生血管AMDが135名(67.5%)、両眼AMDが84眼(42%)である。
・AMDの26例(13%)とCtrlの10例(5%)が少なくともAMD発症3か月前にACDに暴露されている。
・AMDの発症リスクはACDに暴露されるとOR=2.84倍になっており(95%CI=1.33-6.06 p=0.07)、15年以上の長期ACD暴露ではOR=5.88(95%CI=1.22-28.31 p=0.03)であった。
・ACDに最低3か月暴露されるとAMDのリスクは上昇し、長期使用では更に関連が強まっていた。(表1)(TY)

2018
136巻

CL型眼圧測定による24時間眼圧と視野進行の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (7号) 2018

Association Between 24-Hour Intraocular Pressure Monitored With Contact Lens Sensor and Visual Field Progression in Olde Adults With Glaucoma
Carlos Gustavo De Moaraes, et al. (Columbia)
JAMA Ophthalmol 136(7):779-785, 2018
1999/11/8~ 2016/9/17に13カ国、50施設で行われた、Triggerfish Consortiumに集まった1355眼のうち、445例445眼の緑内障患者を対象とした。
mean peak ratio while awake、number of long peaks during sleep、 night bursts ocular pulse frequency SD, night bursts ocular pulse amplitude SDが早い視野進行と関係していた
Triggerfishは厳密には眼圧計ではなく、眼圧変動による眼球形状の変化を捉えるセンサー
測定までに治療方法が変更になっていることも考えられるが、1回の測定でそれまでの進行との関係を示唆する指標となり、GATを何度も測定するよりもよい。(MM)

2018
136巻

ブラックチョコレ-トの視力改善効果

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (6号) 2018

Effects of milk vs dark chocolate consumption on visual acuity and contrast sensitivity within 2 hours. A randomized clinical trial.
Rabin JC et al(TX USA)
JAMA Ophthalmol 136(6): 678-681, 2018
・抗酸化作用の強い「カカオポリフェノ-ル」やリラックス効果が高い「テオブロミン」が豊富に含まれたカカオマスが40%以上含まれるブラックチョコレ-トが視力に影響するかどうかを検討した
・72%カカオブラックチョコレ-ト(47gカカオ、34gフラバノ-ル)とミルクチョコレ-ト(40gココア、12.5gフラバノ-ル)を摂取した1.75時間後に比較した。
・logMARでの視力測定とlogCS最小コントラスト認知を30名(26±5歳)で交互に測定した。
・ブラック群のlogCSは1.45±0.04で、ミルク群の1.30±0.05より0.15logCS良く(95%CI=0.08-0.22 p<0.001)、logMAR視力改善はブラック群では—0.22±0.01、ミルク群では-0.18±0.01で、0.04 logMAR.05)余計に改善した(TY)

2018
136巻

網膜色素変性症の進行抑制にビタミンAは有効か

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (5号) 2018

Association of vitamin A supplementation with disease course in children with retinitis pigmentosa.
Berson EL et al(MA USA)
JAMA Ophthalmol 136(5): 490-495, 2018
・網膜色素変性症の小児で、ビタミンAを摂取した55名と、摂取しない25名とで、1976年から2016年にかけて行った臨床実験で、平均4年から5年間比較した。
・30Hzフラッシュでのfull-fieldの錐体ERGの振幅を指標とした。
・VitA群:Ctrl群は、男性38名(69%):19名(76%)、年齢は9.1±1.9:9.2±1.7歳、48名(87%):25名(100%)が白人、6名(11%)がアジア系、1名(2%)が黒人である。
・1年の変化率は未調整ではVitA群:Ctrl群が-0.0713:-0.1419 log(e)で差は0.0706(95%CI=0.0149-0.1263 p=0.01)。調整した差は0.0771 (95%CI=0.0191-0.1350 p=0.009)である
・Vit Aパルミチン酸塩は小児の網膜色素変性症の錐体ERG振幅の減少を抑えることができたが、その理由は謎である(Klaver CCWコメント,pp496-497)。(TY)

2018
136巻

近視眼と緑内障眼での傍視神経乳頭部の毛細血管濃度の変化

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (5号) 2018

Association of myopia with peripapillary perfused capillary density in patients with glaucoma. An Optical coherence tomography angiography study.
Suwan Y et al(NY USA)
JAMA Ophthalmol 136(5): 507-513, 2018
・3D以上の近視眼で、POAGの有無によるperipapillary perfused capillary density(PCD)をOCT-A(4.5mm x 4.5mm)で測定して比較した
・POAGの近視87例67.5±12.0歳、POAGのない近視17例48.2±19.0歳、POAGの非近視93例67.3±11.0歳、Ctrl 51例64.7±8.9歳で行った。
・PCD値はCtrlで41.0±4.2、POAGのない近視で38.4±5.8、POAGの非近視で31.9±7.5、POAGの近視で28.2±6.0であり、いずれもp<0.001で減少していた
・年齢、眼軸で調整後のCtrl眼との差はPOAGの近視で-11.1(95%CI=-14.0~-8.1 p<0.001)、POAGの非近視が-8.6(95%CI=-10.9~-6.3 p<0.001)、POAGのない近視が-2.8(95%CI=-6.9~1.2 p=0.17)であった。
・緑内障と近視の間には何ら相互関係は見られなかった。周視神経乳頭の微小血管の減少は、近視よりもPOAGで強いことが分ったが因果関係は不明である。(TY)

2018
136巻

眼圧上昇がもらたす視神経乳頭変化と機能変化

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 136巻 (2号) 2018

Association of functional loss with the biomechanical response of the optic nerve head to acute transient intraocular pressure elevations.
Tun TA et al(Singapore)
JAMA Ophthalmol 136(2): 184-192, 2018
・眼圧上昇に対する視神経乳頭ONHの急性の生体力学的な反応が緑内障進行の生体視標になるかどうかを検討した。
・23名のPOAG、45名のPACG、23名の緑内障のない中国人(計91名、65.48±7.23歳)で検討した。
・ONHのOCT像をbaselineとOphtalmodynamometerを使用して前部強膜に力をかけて求めた2回の連続した眼圧上昇時(0.64Nと0.90N)で、OCTでの容積、篩状板の深さ(LCD)、最小リム幅(MRW)を求めた。
・自動視野計での平均偏差MD、視野index(VFI)も求めた。
・急激な一過性の眼圧上昇は強膜管開口を広げ、篩板に張りがあれば前方へ引っ張ると考えられる。
・一方、強膜に張りがなければ、強膜管が拡張できず、眼圧上昇は篩板を後方へ押すだろう。
・今回のPOAGでの検討では、視野欠損の強いものほど、眼圧上昇時の篩板の前方移動が強く起こり、視野欠損の少ないものでは篩板の後方移動がおこっていた。
・このような篩板の特徴的な移動はPACGでは起こっていなかった。
・これは遺伝によるものなのか、眼圧ストレスに対するONHの脆弱性なのかは不明である。
・POAGでは最初の眼圧上昇でのLCDの前方移動がMD(R=-0.64 95%CI=-0.97~-0.31 p=0.01)とVFI(R=-0.57 95%CI=-0.94~-0.19 p=0.05)に相関していた。
・また、最初の眼圧上昇でのMRWの減少はMD(R=-0.48 95%CI=-0.86~-0.09 p=0.02)とVFI(R=-0.57 95%CI=-0.94~-0.20 p=0.04)に相関し、2回目の眼圧上昇でのMRWの減少はMD(R=-0.56 95%CI=-0.98~-0.13 p=0.01)とVFI(R=-0.60 95%CI=-1.03~-0.17 p=0.08)に相関していた。
・また、2回目の眼圧上昇時での、下耳側のMRWの減少とPOAGでの該当する視野変化には相関があった(p=-0.55 95%CI=-0.78~-0.18 p=0.06)。
・PACGにはこのような関連はみられなかった(TY)

2017
135巻

DSAEK後3年での角膜内皮細胞密度損失と角膜保存期間

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (12号) 2017

Corneal Endothelial Cell Loss 3 Years After Successful Descemet Stripping Automated Endothelial keratoplasty in the Cornea Preservation Time Study
A Randomized Clinical Trial
Jonathan H.lass,et al.(OH USA)
JAMA Ophthalmol. 2017;135(12):1394-1400.
・目的:角膜の透明性を保っているDSAEK後3年の症例の角膜内皮細胞密度(ECD)損失と角膜保存期間(PT)と関連があるか調べる。
・対象と方法: DSAEKの適応がある769人945眼。フックス角膜内皮変性症(94%)、偽水晶体眼または無水晶体眼の角膜浮腫(6%)の内皮機能不全。平均年齢70歳。
・症例を0〜7日間のPT(0〜7 d PT群:n = 485)または8〜14日間のPT(8〜14 d PT群:n = 460)のドナー角膜を受け取るようにランダムに割り当てた。
・結果:術前平均ECDは、0〜7d PT群2746(297)cells/mm2、8〜14d PT群2723(284)cells/mm2
・術後3年で、平均ECDは0-7d PT群では1722 (626) cells/mm2 (37%減)、8-14d PT群では1642 (631) cells/mm2(40%減)ベースラインから減少した。
・術後4年後では0〜7d PT群203眼、1620 (673) cells/mm2 (41%減)、8〜14d PT 209眼、1537 (683) cells/mm2(44%減)ベースラインから減少した。
・結論:DSAEKの3年後には角膜のECDと長いPTの間に統計学的に有意な関連が認められたが、臨床的に類似していた。
・物流上の理由で12〜14日間保存されたドナー組織も使用できると考えられる。(CH)

2017
135巻

角膜内皮細胞移植術(DSAEK)の成功に対する角膜保存時間の影響

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (12号) 2017

Effect of Cornea Preservation Time on Success of Descemet Stripping Automated Endothelial Keratoplasty
George O. Rosenwasser,et al.(OH USA)
JAMA Ophthalmol. 2017;135(12):1401-1409
・目的:8〜14日間保存された角膜ドナー組織を使用したDSAEKの術後3年目の成功率が、7日間以下の保存期間のドナー組織のそれより劣らないかどうかを判断する。
・対象と方法:保存期間7日以内 675眼、保存期間8〜14日 655眼、平均年齢70歳(42-90歳)、フックス角膜内皮変性症 94.4%。
・ドナー角膜の平均年齢61歳、平均内皮細胞密度2735(298)cells / mm2
・結果:3年経過観察できたのは7日以内584眼、8〜14日558眼
・3年間角膜透明性を保っていたのは7日以内95.3%、8〜14日92.1%
・移植成功率は、PTが増加するにつれて減少する傾向があった。12〜14日のPTで89.3%、5日〜7日のPTは94.9%。
・術後合併症 移植片剥離 7日以内33眼(4.9%)、8〜14日53眼(8.1%)、前房内空気再注入 7日以内54眼(8.0%)、8〜14日85眼(13.0%)(p=0.003)、細菌性眼内炎 7日以内1眼(0.3%)、8〜14日2眼(0.3%)
・再移植 7日以内 28眼、8〜14日 44眼
・結論:より長いPTとより低い移植片成功率との間に有意な関連があった。しかし、11日目までは、移植片の成功率に対するPTの影響は小さかった。
・DSAEK術後3年の成功率は、PTにかかわらず高かった。より長いPTはより低い成功率と関連していたが、PTが12日未満では差は小さかった。(CH)

2017
135巻

アイバンク眼の汚染と内皮移植用操作

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (11号) 2017

Association between fungal contamination and eye bank-prepared endothelial keratoplasty tissue temperature-dependent risk factors and antifungal supplementation of optisol-gentamicin and streptomycin.
Brothers KM et al(PA USA)
JAMA Ophthalmol 135(11): 1184-1190, 2017
・アイバンクで作業を行った内皮移植用角膜と作業をしない角膜との細菌汚染度について検討し、また、室温に放置したゲンタマイシンとストレプトマイシン加入のoptisol(GS)で抗真菌剤を加えたものと加えないものについても汚染度を調査した。
・2013年のEversight Eye Bankで提供した6592眼を調査した。
・2550眼はDSAEKやDMEK用に作業され、4042眼は表層や全層用で作業していない眼球である。
・このうち12眼(0.18%)で感染が報告され、作業されたEK角膜は7眼(全例真菌)、全層角膜で5眼(3眼:細菌、1眼:真菌、1眼:不明)であった。
・ドナー角膜辺縁培養ではEK角膜では46/2550(1.8%)、全層角膜では43/4042(1.1%)で有意差があった(p=0.006)。
・別のグループで酵母菌感染を見ると、EK角膜では19/1665(1.14%)、全層角膜では5/1346(0.37%)と3倍の差があった(P=0.009)。
・GS加入optisol液20mlに4.2x1000CFU(colony-forming units)/mlの3種類のカンジダ属(C albicans,C glabrata,C parapsilosis)を入れて室温に数時間放置すると、カンジダはその中で増殖するが、CaspofunginやVoriconazole等の抗真菌剤を添加してあると、増殖が抑えられた

2017
135巻

YAGレーザー飛蚊症治療:Sham照射との比較

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (9号) 2017

 YAG Laser Vitreolysis vs Sham YAG Vitreolysis for Symptomatic Vitreous Floaters: A Randomized Clinical Trial.
Shah CP, Heier JS.(US-MA)
JAMA Ophthalmol. 2017 Sep 1;135(9):918-923. 

【目的】PVD由来のWeiss ringによる飛蚊症に対する、YAGレーザー飛蚊症治療とSham照射との比較
【対象と方法】52例52眼(基準は下記)をランダムに2:1に割り付け、施行後6Mの症状および所見の変化をマスクされた状態で評価
【結果】YAG群36眼、Sham群16眼
・症状の改善はYAG群54%、Sham群9%(P<0.001)
・10ポイント視覚障害スケールの改善はYAG群3.2、Sham群0.1(P<0.001)【Tab.1】
・症状の明らかな改善または完全消失はYAG群53%、Sham群0%(P<0.001)【Fig.2】
・NEI VFQ-25では全体の見え方・周辺部の見え方・role difficulties・dependencyの項目でYAG群が有意に改善【Tab.2】
・最高矯正視力の変化は有意差みられず(YAG群 -0.2文字、Sham群-0.6文字)
・合併症:YAG群の1眼でIOLピット、Sham群の1眼でlatticeからのRB
【結論】YAGレーザー飛蚊症治療は、Weiss ringに関連した自覚症状および他覚所見を改善させた。さらに大規模で長期間の追試によりこれらの事実が確信に繋がるだろう

導入基準
・PVDに続発した明らかなweiss ringによる症状あり
・6ヵ月以上症状持続
・診察、OCT、超音波Bモードのすべてで完全PVDが確認できる
・自覚症状グレードが4以上(0:まったくなし~10:衰弱するほどの症状)
・超音波BモードにてWeiss ringが網膜より3mm以上、水晶体より5mm以上(IOLの場合は不問)離れている
除外基準
・僚眼の視力<20/50
・RB・RD・ぶどう膜炎・DMR・ME・RVO・緑内障・高眼圧症の既往
・治療眼がaphakia(MK)

2017
135巻

上記に対するinvited commentary

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (9号) 2017

 YAG Laser Vitreolysis-Is It as Clear as It Seems?
Lim JI.
JAMA Ophthalmol. 2017 Sep 1;135(9):924-925.

・ウサギを用いた他の報告;低パワー(2-6mJ)では網膜から最低2mm離せば安全、高パワー(4-8mJ)では2-4mm離しても網膜障害→最低でも4mm離すべき
・上記論文はスクリーングや照射条件はしっかり吟味されている
・上記論文を含め、YAGレーザー飛蚊症治療の安全性はまだ証明されていない
・長期予後は?近視眼などのvitreoschisisの場合は?
・PVD発生より6-12MはRBやRDが自然発症しやすいのでこの期間は避けるべき?
・高パワー照射を要するような厚い硝子体膜、可動性の高い硝子体混濁は避けるべきだろう(MK)

2017
135巻

緑内障における 検出していない10-2の視野障害と視機能関連のQOLの関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (7号) 2017

 Association Between Undetected 10-2 Visual Field Damage and Vision-Related Quality of Life in Patients With Glaucoma
Dana M B. et al (NY, USA)
JAMA Ophthalmol 135(7):742-747, 2017
24-2の視野検査結果では説明できないような視機能低下を訴える患者では10-2の異常が見過ごされているかどうか調査
113例226眼の少なくとも一眼に様々な程度の視野障害のある緑内障患者を対象にNEI VFQ-25を調査
両眼での視野を得るため、MD値をもとに、良い方と悪い方の目を決定し、best-location algorithmで両眼の平均感度を求めた。それぞれで最も感度の高い値による視野
24-2も10-2もNEI VFQ-25と相関していたが、10-2のほうがおよそ2倍強い相関があり、24-2で極端にNEI—VFQ25が低い患者35例では、10-2感度が最も強い相関であった
1dBあたりの改善は24-2で1.95倍、10-2で2.57倍、Outlierでは2.78倍であった
ドライアイや白内障などと言って見過ごされている24-2でははっきりしない初期緑内障であっても10-2で異常を認めることがありうるため注意が必要である(MM)

2017
135巻

緑内障患者における、認知機能の低下と視野の変動の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻 (7号) 2017

 Association Between Neurocognitive Decline and Visual Field Variability in Glaucoma
Alberto DF. et al (UCSD,CA, USA)
JAMA Ophthalmol 135(7):734-739, 2017
認知機能の低下によって視野検査の結果が変動すると、緑内障の経過観察の判断が遅れる恐れがある
Mild cognitive impairment(MCI):日常生活には影響の出ない程度の認知機能の低下であり、痴呆とは分類されず、正常の加齢変化から初期の痴呆への認知機能の移行とされ、近年ではアルツハイマー型認知症のリスクファクターと考えられている。
MCI検出のため、Montreal Cognitive Assessment Test(MoCA)を用いて、SITA standard 24-2のMDの変動との関係を調査 30点満点 26点未満で認知機能低下と判断
115例211眼を平均2.5年観察(87例は緑内障、28例は緑内障疑い) 86例が白人、29例が黒人
MD
血は-28.8〜2.6dBと広い範囲にわたる
アーチファクトと考えられるもの、固視不良>33%、FP<15%は除外し1458回の視野(1眼あたり6回)
MoCA score, mean SAP MD, age, sex, race/ethnicity, educational level, incomeを調査
結果
Univariable Model, Multivariable モデルともに、5ポイントのMoCAスコアの低下で0.18dB、0.23dBの変動があった
視野の障害度が強くなるとSDは増加し、その後ピークを迎え、減少した
単変量解析で性別と人種でSDとの相関が見られた(多変量解析では相関なし)
0.23dBはSDの約30%に相当した 信頼のおける視野についてはMDのSDは20%以内が良いとされており、認識能の低下により変動が大きくなるということはそれだけ進行の判断が遅れることや、進行していないのに進行したと判断され、過剰治療につながる可能性がある(MM)

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