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American Journal of Ophthalmology

2012
154巻

近視性牽引性黄斑剥離に対する手術方法の検討

American Journal of Ophthalmology 154巻(4号)2012

Fovea-sparing internal limiting membrane peeling for myopic traction maculopathy.
Shimada N et al(東京医科歯科大)
Amer J Ophthalmol 154(4): 693-701, 2012
・近視性牽引性黄斑剥離の治療に対して、中心窩を除外したILM剥離の方法を紹介する。
・45例45眼を完全に黄斑部ILM剥離を行った30眼と、中心窩を除外して行った15眼に分けて検討した。
・ILM剥離中に剥離が中心窩に近づいたら、別の場所から再度剥離を開始し、最後は硝子体カッターでトリミングした。
・中心窩全例、ガス注入を行い、術後6ヶ月以上の経過観察を行った。
・全層黄斑円孔の発生は全剥離の5/30(16.7%)、除外剥離では発生はなかった。
・除外剥離群では術後OCTで中心窩の残存ILMの収縮と外層部の層状円孔の縮小がみられた。
・術後視力は術前と比較して、除外剥離群では有意に上昇したが(p=0.04)、全剥離群では有意な上昇はなかった。
・この方法は近視性牽引性黄斑症に由来した黄斑剥離の治療として、視力的にも解剖学的にも良好で、全層黄斑円孔になる可能性を減らせると考えた。

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