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American Journal of Ophthalmology

2012
154巻

AMDに対するルテイン、ゼアキサンチンの効果

American Journal of Ophthalmology 154巻(4号)2012

Improvement of retinal function in early age-related macular degeneration after lutein and zeaxanthin supplementation: A randomized, double-masked, placebo-controlled trial.
Ma L et al(China)
Amer J Ophthalmol 154(4): 625-634, 2012
・初期のAMDに対し、多局所ERG(MfERG)を用いてルテイン[L]、ゼアキサンチン[Z]の効果について検討した。
・108名の初期AMD患者を10mg/d[L]:n=27、20mg/d[L]:n=27、10mg/d[L]+10mg/d[Z]:n=27、プラセボー:n=27の4群に分け、48週間内服した。
・36名の年齢をマッチさせた正常者を基礎データとした。
・MfERG反応と黄斑色素濃度(MPOS)をbaseline、24,48週で測定した。
・初期AMD者では正常者と比較して、MfERGではring-1~3ではN1P1反応が減弱していたが(p<0.05)、ring-4~6ではN1P1反応もP1潜時も有意差はなかった。
・48週内服後では、20mg[L]群と[L]+[Z]群でring-1のN1P1反応は有意に増加し、20mg[L]群でring-2のN1P1反応が有意に増加していた。
・ほぼ全ての治療群で、MPODの増加は、ring-1,2のN1P1反応の増加に相関していたが、ring-3~6のN1P1反応や全てのringでのP1潜時には有意な変化はみられなかった。
・N1P1反応の増加とMPODの増加との相関は、ring-1では、10mg[L]:r=0.54,p=0.05、20mg[L]:r=0.51, p=0.008、[L]+[Z]:r=0.56 p=0.03、ring-2では、10mg[L]:r=0.30,p=0.13、20mg[L]:r=0.51, p=0.008、[L]+[Z]:r=0.53 p=0.06。
・初期のAMD患者の初期の機能変化は、ルテインやゼアキサンチン内服で回復することが可能で、この回復は黄斑色素濃度の上昇に起因しているだろう。

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