眼科JOURNALトップ > American Journal of Ophthalmology > 視神経空洞を伴った網膜浮腫の治療

American Journal of Ophthalmology

2014
158巻

視神経空洞を伴った網膜浮腫の治療

American Journal of Ophthalmology 158巻(3号)2014

Pathogenesis and treatment of maculopathy associated with cavitary optic disc anomalies.
Jain N et al(MI USA)
Amer J Ophthalmol 158(3): 423-435, 2014
・視神経乳頭の先天的空洞形成には、コロボーマ、ピット、朝顔症候群、乳頭外空洞があるが、これらは網膜分離症様、あるいは漿液性剥離の様な黄斑症を伴っている。
・これは眼内と眼外腔を結ぶ強膜あるいは篩板の欠損が要因である。
・眼内圧と頭蓋内圧の差による液の移動を止めるか、網膜内への流入路を遮断すれば黄斑症は軽快する。
・ガス注入を併用した硝子体手術後の慎重な視神経乳頭縁の光凝固が恒久的な流入路遮断に有効であると考えている。
・脱出した異形成組織やピットの嚢には個人差がある。
・透過性のない嚢の場合はこのピットは球状のシリンジとして働き、脳脊髄圧ICPが低い時は硝子体液をピット嚢内に吸入し、ICPが上昇した時は嚢内から放出する。
・嚢に透過性がある時は、ICPの変動がピットに伝達し、脳脊髄液が嚢を透して嚢に混入する(図)。
・治療としては、網膜内の液がバッファとなって神経線維が熱障害されるのを避けてくれることを期待して、硝子体手術を行う前に外来で傍乳頭部に光凝固(赤647nm,200μ)を4-5列に行う。
・光凝固後、1-2時間以内に硝子体手術を行うことを推奨したい。

(TY)

過去のアーカイブ