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American Journal of Ophthalmology

2015
159巻

DSAEK後の黄斑部網膜厚の変化

American Journal of Ophthalmology 159巻(3号)2015

Changes in Macular Thickness After Descemet Stripping Automated Endothelial Keratoplasty
RANEEN SHEHADEH MASHOR, et al. (Canada)
Am J Ophthalmol 159(3); 415-418, 2015
目的:OCTを使ってDSAEK後の黄斑部網膜厚の変化を調べた。
対象と方法:31人33眼(男性16人、女性17人)(表1)、フックス角膜内皮変性症 7眼、水疱性角膜症 9眼、
フックス角膜内皮変性症+白内障 17眼
全例にDSAEKを施行した。白内障手術と同時手術のときは、白内障手術を先に行った。
年齢、術前のBCVA、黄斑部網膜厚に差はなかった。
結果:全体  1ヶ月後 19.32μm増加  3ヶ月後 10.33μm増加
フックス角膜内皮変性症  1ヶ月後 11.37μm増加  3ヶ月後 9μ減少
フックス角膜内皮変性症+白内障  1ヶ月後 26.50μm増加  3ヶ月後 23.15μm増加
水疱性角膜症    1ヶ月後 12.37μm増加  3ヶ月後 2.428μm増加
フックス角膜内皮変性症+白内障が統計学的に有意に増加した。
結論:黄斑浮腫は角膜移植後によく見られる問題である。DSAEKはPKより小さな傷口で前房も維持されているので、眼内操作を行うにもかかわらず黄斑部網膜厚の厚さは重大な変化はなく、安定している事を示唆した。
手術後の黄斑部網膜厚と術後の視力に関連はなかった。
手術の侵襲を減らす事が黄斑浮腫を減らすので、侵襲の少ないDSAEKの追加の利点と言える。(CH)

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