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American Journal of Ophthalmology

2015
160巻

線維柱帯切除術、EX-PRESS、アーメドインプラントの角膜内皮細胞に対する短期の影響

American Journal of Ophthalmology 160巻(6号)2015

Trabeculectomy Versus EX-PRESS Shunt Versus Ahmed Valve Implant: Short-term Effects on Corneal Endothelial Cells
GIAMBERTO CASINI, et al. (Italy)
Am J Ophthalmol 2015;160(6): 1185-1190.
目的:緑内障濾過手術による角膜内皮細胞への影響を調査した。
対象と方法:POAGのため緑内障手術を受けた64人、 術後4ヶ月以上経過観察できた症例。緑内障手術別により3グループに分け、術前と術後1、3ヶ月の角膜内皮細胞密度(ECD)を測定した。
 グループ1 線維柱帯切除術 22人22眼
 グループ2  EX-PRESS 24人24眼
 グループ3 アーメド 18人18眼
 コントロールグループ 32眼
結果:ECDは、グループ1でベースライン時より術後1ヶ月 3.5%、術後3ヶ月 4.2%減少した。グループ3では術後1ヶ月1.4%、術後3ヶ月3.5% 減少した。
グループ2とコントロールグループでは変化は認められなかった。
術後1ヶ月ではグループ2とグループ3とコントロールグループではECDに差はなかった。
術後3ヶ月ではグループ1とグループ3はグループ2とコントロールグループと比べ、有意に減少していた。
結論:EX-PRESSは線維柱帯切除術やアーメドインプラントに比べ、角膜内皮細胞損失のリスクが低く安全な治療であると思われた。角膜内皮細胞密度の低い患者や角膜損傷のある患者への良い治療である。(CH)

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