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American Journal of Ophthalmology

2019
197巻

角膜内皮移植DMEK後の遠視化について

American Journal of Ophthalmology 197巻(1号)2019

Avoiding hyperopic surprises after Descemet Membrane Endothelial Keratoplasty in Fuchs dystrophy eyes by assessing corneal shape.
Fritz M et al(Germany)
Amer J Ophthalmol 197(1): 1-6, 2019
・Descemet Membrane Endothelial Keratoplasty(DMEK)と白内障手術(triple DMEK)を行った患者で予想外の遠視化が起こることがあるので、その要因を検討した。
・Fuchs角膜内皮ジストロフィ(FECD)でtriple DMEKを行った112眼で術前のScheimplfug検査を行って検討した。
・術後屈折度の予測は-0.43D(4分位値は-0.47D~-0.17D)であったが、得られた値は-0.63D~+0.56Dであり、誤差は+0.34D(-0.22D~+0.81D)であり、遠視化が46%に発生していた。
・Scheimplfug cameraで求められるQ値で検討した。
・Q値:表面の輪郭と中心ずれから求められるもので、偏円形oblate角膜では+、篇長形prolate角膜では-、球状speric角膜では0となる
・術前の角膜後面屈折のQ値が正の場合は、Q値が0あるいは負の場合より3.0倍(95%CI=1.3-7.0 p=0.011)遠視化が起こっていた。
・通常、角膜内面は中心が周辺よりsteepであるのでprolateであり、円錐角膜などの突出した角膜ではさらにprolateである。角膜浮腫があると中心がflatになるのでoblateとなりQ値は+となる。
・角膜厚に関係なく、角膜後面Q値が正の場合は平均+0.50D遠視化が起こっていた(95%CI=0.19-0.82 p=0.002)。
・角膜周辺部よりも中心部の曲率が平坦な場合には浮腫の影響により遠視化が起こりやすい。
・術後+0.5D以上遠視化、-0.5~+0.5D未満、-0.5D以上近視化の症例は眼数は52:42:18、術前角膜後面Q値平均値は0.33:-0.13:-0.38、屈折誤差は1.04±0.60D、0.03±0.27D、-0.95±0.54Dであった。
・>+2.0Dが5眼、>+1.0~+2.0が14眼、+0.5~+1.0が33眼、-0.5~-1.0が14眼、>-1.0~-2.0が3眼、>-2.0が1眼であった(TY)

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