眼科JOURNALトップ > American Journal of Ophthalmology > 牽引性、滲出性、黄斑円孔でのCMEの形態の違い

American Journal of Ophthalmology

2020
212巻

牽引性、滲出性、黄斑円孔でのCMEの形態の違い

American Journal of Ophthalmology 212巻(4号)2020

Distinctive mechanisms and patterns of exudative versus tractional intraretinal cystoid spaces as seen with multimodal imaging.
Govetto A et al(Italy)
Amer J Ophthalmol 212(4): 43-56, 2020
・牽引性と滲出性の嚢腫状黄斑浮腫の形態を分類した。
・OCT、FA、短波長自発蛍光BFAF、en face OCT、OCT-Aを用いて69例72眼を調査した。
・滲出性の36眼がen face OCT、FA、BFAFで花弁状CMEを示した。
・滲出性では、内顆粒層、外顆粒層ーヘンレ層に多数の嚢胞があり癒合しており、外境界膜までつながっている。
・滲出性では、毛細血管の破綻が浸出液を増やし、表層と深層の血管網から内顆粒層→外顆粒層やヘンレ層への流入を来し、Müller細胞の偏位を来す。
・牽引性の24眼が放射状の車軸状CMEを示し、FAでの漏出はなかった。
・牽引性では、嚢胞が癒合することはなく、ヘンレ層を乗り越えることもない。
・牽引性では、網膜前膜が網膜に機械的なストレスを与え、Müller細胞の偏位を来す。
・牽引性では、生理的な硝子体から脈絡膜への水分移動が途中で止まり、Müller細胞周囲に浮腫を来す。
・全層黄斑円孔FTMHの12眼がひまわり状CMEを示した。
・全層円孔では円孔壁の割れ目から液が細胞内に流入するが、RPEポンプで脈絡膜側へ流出しないために嚢腫状となる。(TY)

過去のアーカイブ