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American Journal of Ophthalmology

2020
211巻

80歳以上のドナーからの角膜を用いたデスメ膜内皮角膜移植の結果

American Journal of Ophthalmology 211巻(3号)2020

Outcome of Descemet Membrane Endothelial Keratoplasty Using Corneas from Donors≧80 Years of Age
FRIEDERIKE SCHAUB ,et al. (Germany)
Am J Ophthalmol. 2020(3);211:200-206.
目的: 80歳以上のドナーからの角膜がデスメ膜角膜内皮移植術(DMEK)に適しているかどうかを調査する。
対象と方法:高齢ドナー(80歳以上)を若いドナー(<80歳)と比較した。 DMEK術後3および6か月、1、2、および3年の最高眼鏡矯正視力(BSCVA)、内皮細胞密度(ECD)、角膜中心厚(CCT)と前房内再空気注入率。
DMEKの適応には、FEDが86.6%、PBKが8.9%、ジストロフィー(先天性遺伝性内皮ジストロフィー、後部多形性角膜ジストロフィーを含む)0.9%、および以前に実施されたDMEKまたはDSAEK後の移植片不全1.1%、全層角膜移植術後の移植片不全2.5%。
結果:DMEK 術後1,748 眼の内、284眼(16.2%)は高齢ドナー組織(平均ドナー年齢83.96±3.19歳)を使用、1,464眼(83.7%)は若いドナー組織(平均ドナー年齢65.27±9.57歳)を使用した。ドナー組織術前平均ECDはそれぞれ2,678.27±181.36cells / mm2、2,715.49±223.79cells / mm2だった。
BSCVAの結果は、術後のすべての時点で同等だった。若いドナーのCCTは、術後早期でより厚かったが、中期では両グループで同等だった。 ECD値は、術前および術後2年間で80歳未満のドナーで有意に高かった(P<0.024)。再空気注入率は両グループで同等だった。
結論:80歳以上の高齢のドナーは、若いドナーと比較してDMEK手術後に同等の結果をもたらす。DMEK手術のために80歳以上のドナーからの角膜を使用することは、世界的なドナー不足に有効である。(CH)

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