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American Journal of Ophthalmology

2020
217巻

デスメ膜角膜内皮移植:10年間の移植片の生存と臨床転帰

American Journal of Ophthalmology 217巻(9号)2020

Descemet Membrane Endothel ial Keratoplasty: Ten-Year Graft Survival and Clinical Outcomes
I Vasiiiauskaite et al. (Germany)
Am J Ophthalmol 2020(9);217:114-120.
・Descemet膜内皮角膜移植(DMEK)後10年の移植片生存と臨床経過を評価する。
・技術の学習曲線として定義された最初の25眼のDMEK眼を除外した後、次の連続した100眼のDMEK眼(88人)を対象とした。生存率、最高矯正視力[BCVA]、中心内皮細胞密度[ECD]、および中心角膜厚[CCT]、術後合併症を術後10年まで評価した。
・フックス角膜ジストロフィ(94%)、移植片不全(4%)、水疱性角膜症(2%)。
・DMEKの5年後と10年後で、100眼のうちそれぞれ68眼と57眼が分析に利用できた。これらの症例のうち、術後5年82%と術後10年89%が術後20/25以上のBCVAに達した。術前ECDは術後5年で59%、10年で68%減少した(平均術前ドナーECDは2,593±178 cells / mm2、術後5年1,083±432 cells / mm2、術後10年で845±342 cells / mm2)。 CCTは、術前平均668±74μm、術後5年および10年でそれぞれ540±33μm、553±43μmだった。CCTは術前CCTと比較して10年で16%減少したが、5年と10年の追跡期間で2±6%の有意な増加を示した(P <0.023)。
・10年以内に4%が拒絶反応を起こした。
・移植片の生存確率は、術後5年および10年でそれぞれ0.83および0.79だった。
・移植片不全は6眼(術後平均60±33ヶ月)だった。再処置は前房内空気再注入7眼、再移植は19眼(術後平均29±34か月)だった。
・DMEKは、術後合併症の発生率が低く、移植片の寿命が期待できる安定した臨床結果を示した。(CH)

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