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American Journal of Ophthalmology

2021
224巻

手術による再調整後の軸ずれトーリック眼内レンズの屈折および視力結果

American Journal of Ophthalmology 224巻(4号)2021

Refractive and Visual Outcome of Misaligned Toric Intraocular Lens After Operative Realignment
ANNIKA MULLER-KASSNER, et al. (Germany)
Am J OphthaLmol 2021(4) ;224:150-157
・トーリック眼内レンズの症例では0.65%から7.41%で軸ずれのため再調整が必要となる。
・再調整手術の屈折および臨床結果を調査し、最初に計算された軸との位置合わせを再計算によって決定された軸と比較する。
・2013年8月から2019年12月の間にトーリック眼内レンズを挿入した1209例のうち、大きな軸ずれを起こし再調整するために2回目の手術を受けた39人39眼 (3.2%)。トーリックIOLは、術後25.69±26.06°のずれを示していた。
IOL計算はlOL Master 500/700に基づくBarrett式を使用した。レンズ交換は、フェムトレーザーの乱視軸ガイド使用して行った。
・患者は術後7日目に散瞳下細隙灯検査で乱視軸の評価が行われた。
・再計算によるトーリック軸は、astigmatismfix.comを使用した。
・最高矯正視力(BCVA)は0.28±0.22 logMAR(20/40)から0.15±0.14 logMAR(20/32)に改善し、裸眼遠方視力(UDVA)は、0.39±0.29logMARから0.27±0.18logMARに改善した。
・17眼(44%)は時計回り(30.12±28.95°)に、22眼(56%)は反時計回り(22.27±23.72°)に回転させた。
・再手術は平均86.54±157.99日後に実施された。
・最初に計算された軸に位置合わせをした20眼(51%)の術後のUDVAは0.24±0.16logMAR、cylinder 0.90±0.90D
・再計算された軸に位置合わせた19眼(49%)では、UDVAは0.32±0.20 logMARで、cylinder 0.76±0.72 Dだった。
・高シリンダーパワーIOL(≥2D)は、再計算すると残存乱視がより減少した。
・トーリックIOLの再調整により、視力が向上し、屈折異常が減少する。特に高シリンダーパワーIOLの場合、再調整の前に再計算するとより良い結果が得られる。(CH)

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