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American Journal of Ophthalmology

2022
238巻

GDD術後の角膜代償不全リスク

American Journal of Ophthalmology 238巻(6号)2022

Corneal Edema and Keratoplasty: Risk Factors in Eyes With Previous Glaucoma Drainage Devices
Bradley B et al. Am J of Ophthalmol 238(6), 27-35: 2022 (USA)
・2009.6.1-2020.4.1までにJohns Hopkins Univ. Wilmer Eye InstituteでGDDを受けた1610眼をレビュー
・症例群:18歳以上の非若年性緑内障でGDDを受け、改善しない角膜代償不全が連続3か月以上持続する症例。 79眼(5%)が角膜代償不全となりうち46眼が角膜移植を受けた。そのうち23眼はチューブのトリミング、位置替えを実施していた。
・対照群:79眼にマッチさせた角膜代償不全をきたさなかった220名220眼をコントロールとした。
・対照群は術者、手術日、十分な経過観察期間(最低6か月以上もしくは一致するケースのフォローアップ期間の長い方)をマッチさせた。対照眼の手術日が症例眼の2年以内にない場合は、他の術者の症例を用いて一致させた(7/220眼)
結果
・平均観察期間 症例群:3年9か月、 対照群:5年3か月
・GDD手術から角膜代償不全まで:平均32(3-98)か月 
・手術から角膜移植まで:41か月(4-109)
・3年,6年,9年での代償不全発症累積確率は4.7%、9.2%、14.8%。
・最終的な視力±SD(LogMAR):症例群 1.96±1.25、 対照群 1.11±1.36(P<0.001)
Risk Factor:
・年齢増加:調整ハザード比(AHR) 1.39
・術後低眼圧:AHR 3.25
・Fuchs dystrophy or ICE syndrome: AHR 9.18
・チューブの角膜接触: AHR 6.37
結論
・GDD後の角膜代償不全のリスクは時間とともに持続する。高齢や、角膜疾患のある者、術後合併症のある場合には角膜代償不全についてのカウンセリングを行うべき(MM)

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