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American Journal of Ophthalmology

2023
246巻

眼内レンズ眼での角膜内皮移植術後の眼内レンズ石灰化

American Journal of Ophthalmology 246巻(2号)2023

Intraocular Lens Calcification After Pseudophakic Endothelial Keratoplasty
Benjamin Memmi, et al. (France)
Am J Ophthalmol 2023(2);246: 86– 95.
・目的:最近報告されている角膜内皮移植(EK)の合併症は眼内レンズ(IOL)の石灰化である。その発生率や危険因子を調査する。
・対象と方法:1992 年 12 月から 2022 年 6 月の間に施行された 2,700 例の連続した角膜移植術症例を対象とした。
・全てのEK症例では、術後の瞳孔ブロックを回避するために、6 時に虹彩切開術を施行し、前房内に100%空気または空気 80% + SF6ガス 20% を注入した。
・手術後 24 時間は厳密な仰臥位を維持するように指示した。
・結果:2700 例の角膜移植手術のうち、全層角膜移植術(PK)1772例、 EK588例、表層移植術(LKP)340例だった。
・IOL 石灰化は14 例で認められた。13 例はEK後、1 例PK後に発生した。
・EK後の IOL 石灰化の発生率は、術後12か月で 0.4%±0.3%、36か月で 3.1%±0.9%、60か月で 4.5%±1.3% だった。
・IOL 石灰化の発生は、IOLの材質と有意に関連していた。
・13 例のうち 11例 (84.6%) が親水性アクリル IOL 、 1例 ( 0.3%) 疎水性アクリル IOL、1 例 (0.6%) の材質不明の IOLだった。
・DSAEK 眼と比較して DMEK眼で石灰化率が有意に高かった (P < .001)。
・ DMEK後12か月で 0.0±0.0%、36か月で 15.6±5.9% 、 DSAEK後12か月で 0.6%±0.4%、36か月で 0.9%±0.5%。
・また、前房タンポナーデで 80% 空気 + 20% SF6ガスを注入した症例の方が、100% 空気の症例と比較して有意に高かった (P < .001)。
・前房内空気、20% SF6ガス再注入症例では有意差を認めなかった。
・結論:前房内の空気またはSF6ガスは、IOL の表面を変化させるか、IOL 表面の近くでミネラルの過飽和を引き起こすことにより、石灰化を促進する可能性があると仮定されている。
・また空気注入や再注入は血液 – 房水関門の破壊する可能性も考えられる。
・DMEK後の IOL 石灰化が多いことが判明したが、これはDMEK眼の前房内に SF6ガス注入をより頻繁に使用することに関連していると思われる。
・角膜内皮障害のある患者に親水性アクリル IOL を使用しないように注意する。
・患者がすでに親水性の IOLを使用している場合は、SF6ガスを避け、100% 空気を使用する必要がある。(CH)

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