lmpact of obstructive sleep apnea on diabetic retinopathy progression and systemic complications.
Rahimy E et al(CA USA)
Amer J Ophthalmol 270(2): 93-102, 2025
・閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を伴う非増殖糖尿病網膜症(NPDR)患者での糖尿病網膜症の進行リスクと全身血管イベントのリスクを評価した。
・OSAは全世界で男性の約22%、女性の約17%が罹患していると推定されており、肥満の増加に伴い発症率は急速に上昇している。
・TriNetX(1億2400万人以上の患者データ)から、OSAのあるNPDR患者とOSAのないNPDR患者を調査した。
・増殖性糖尿病網膜症(PDR)の既往のあるもの、DMEのあるもの、以前の眼科的治療歴(硝子体内注射、レーザー治療、硝子体手術)のあるものは除外した。
・合併症への進行率、眼科的治療の必要性、全身性イベントの発生率を1年、3年、5年で調査した。
・傾向スコアマッチングを行い、各グループそれぞれ11,931名を分析した。
・増殖糖尿病網膜症(PDR)のリスクはOSA群で上昇していた。
1年後:RR=1.34、3年後:RR=1.31、5年後:RR=1.28(いずれも P<0.001)。
・DMEのリスクもOSA群で上昇していた。
1年後:RR=1.31、3年後:RR=1.19、5年後:RR=1.18(いずれも P<0.001)。
・硝子体内注射のリスクがOSA群で上昇していた。
1年後:RR=1.59、3年後:RR=1.58、5年後:RR=1.54(いずれも P<0.001)
・レーザー光凝固も同様の傾向があったが、硝子体手術では有意な差は見られなかった。
・全身性イベントのリスクとして、脳卒中のリスクがOSA群で上昇していた
1年後:RR=1.80、3年後:RR=1.56、5年後:RR=1.49(いずれも P<0.001)。
・心筋梗塞のリスクもOSA群で上昇していた。
1年後:RR=1.51、3年後:RR=1.46、5年後:RR=1.43(いずれも P<0.001)。
・死亡リスクもOSA群で上昇していた。
1年後:RR=1.31、3年後:RR=1.19、5年後:RR=1.15(いずれも P<0.001)。
・以上から、NPDR患者ではOSAのスクリーニングが必要であると考えた。(TY)