Using real-world data to assess the association of retinal detachment with topical pilocarpine use.
Elhusseiny AM et al(AR USA)
Amer J Ophthalmol 271(3): 1-6, 2025
・ピロカルピン点眼薬の使用と、新規発症の裂孔原性網膜剥離(RRD)との関連を検討した。
・電子健康記録(EHR)を用いて、ピロカルピン投与開始後のRRD発症リスクを解析した。
・対象者は40歳以上の1億3000万人以上の患者データである。
・ピロカルピン群は40歳以上の成人患者で、1.25%濃度またはその他の濃度のピロカルピン点眼薬を初めて使用した患者。
・対照群は老視の患者で、人工涙液を開始した患者である。
・傾向スコアマッチング後の解析では、ピロカルピン群においてRRDのリスクが有意に高かった。
・ピロカルピン群と対照群は、3か月後のRRD発症率は、0.53%:0.25%(相対リスクRR=2.18(95% CI:1.07–4.45, P=.03)
・6か月後は0.60%:0.31%(RR=1.93(95% CI:1.01–3.67, P=.04)。
・1年後は0.79%:0.33%(95% CI=1.28–4.27, P=.005)。
・Cox比例ハザードモデルでは、ピロカルピン使用は、対照群と比較してRRDリスクを3.14倍に増加させた(95% CI:1.66–5.93, P<.001)。
・リスク因子は、男性(aHR:2.36, P=.001)、近視(aHR:2.36, P=.001)、硝子体変性(aHR:2.22, P=.020)、格子状変性(aHR:3.71, P=.010)、偽水晶体眼(aHR:3.48, P<.001)であった。
・ピロカルピン点眼薬の使用はRRDリスクを増加させることがわかった。(TY)