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American Journal of Ophthalmology

2025
275巻

術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)に関連する薬剤

American Journal of Ophthalmology 275巻(7号)2025

Drugs Associated With Floppy Iris Syndrome : A Real-World Population-Based Study
MOIZ LAKHANI, et al. (Canada)
Am J Ophthalmol 2025(7);275: 36–46.
・目的:米国食品医薬品局(FDA)が承認した 20,000 種類以上の薬剤の中から IFIS と最も強く関連する薬剤を調査する。
・対象と方法:2003年10月から2024年3月までにFDAの有害事象報告システムに報告されたIFIS症例を分析した。
・結果:12,345,128件の有害事象報告のうち、649件(0.0053%)がIFISに関連していた。
・IFIS症例の31.43%(n = 204)はα1遮断薬に関連しており、次いで非定型抗精神病薬(18.95%、n = 123)、5α還元酵素阻害薬(6.01%、n = 39)、β遮断薬(4.01%、n = 26)、コルチコステロイド(3.54%、n = 23)、三環系抗うつ薬(TCA)(2.77%、n = 18)が続いた。
・β2刺激薬(1.85%、n = 12)、炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)、プロスタグランジン誘導体(いずれも1.54%、n = 10)との関連は少数であったが認められた。
・特定の薬剤の分析では、イミプラミン(ROR = 251.66)、タムスロシン(ROR = 171.44)、クロルプロマジン(ROR = 91.30)が最も高かった(いずれもP < .0001)。
・女性では、ブリンゾラミド(ROR = 409.63)およびサルブタモール(喘息)(ROR = 67.12)でIFISと関連を示した(いずれもP < .0001)。
・男性ではこれらの関連は認められなかった。
・結論:α1遮断薬のタムスロシンおよび非定型抗精神病薬のクロルプロマジンに加えて、TCAのイミプラミンがIFISの報告と最も関連する薬剤であることが明らかになった。
・さらに、これまで認識されていなかった薬であるCAI、コルチコステロイド、5α還元酵素阻害薬、β遮断薬、プロスタグランジン誘導体、β2刺激薬との関連性も特定した。
・特に、ブリンゾラミドとサルブタモールは、女性のIFIS症例で多く報告された。
・IFIS関連の合併症を軽減するための術前カウンセリングが不可欠である。(CH)

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