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British Journal of Ophthalmology

2012
96巻

黄斑円孔手術時のILM剥離と術後の網膜感度

British Journal of Ophthalmology 96巻(12号)2012

Decreased retinal sensitivity after internal limiting membrane peeling for macular hole surgery.
Tadayoni R et al(France)
Brit J Ophthalmol 96(12): 1513-1516, 2012
・SD-OCTとSLO microperimetryを組合わせた装置(OPKO/OTI)などを用いて、ILM剥離を行った8眼と行わなかった8眼とで、黄斑円孔閉鎖後の網膜感度、暗点の検出頻度などを比較した。
・Microperimetryは中心9度以内で、14/16例では、中心部の21点とその周囲の8点、合計29点測定した。
・刺激光は2秒に1回、持続時間は200msecで、サイズはゴールドマン視野計のsize Ⅱとした。
・ILM剥離眼と非剥離眼のBCVA logMARは、剥離眼では0.97(小数点視力0.11)±0.56→0.57(0.27)±0.28、非剥離眼では0.54(0.29)±0.20→0.26(0.55)±0.16であった。
・ILM剥離眼では非剥離眼よりも平均網膜感度dBは低かった(9.80±2.35:13.19±2.92dB p=0.0209)。10dBの光に対する比較暗点の検出では、ILM剥離眼ではより頻度が高かった(11.3±6.6:2.9±4.6点 p=0.0093)。
・このことから、ILM剥離は網膜感度を下げ、微小暗点の発生頻度が高くなることが分かった。
・ILM剥離は、それによる利点が勝ると考えられる時に限定し、もし行うとしても最小限の面積にすべきであろう。

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