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British Journal of Ophthalmology

2012
96巻

異常の無い他眼でのPCVの進行

British Journal of Ophthalmology 96巻(9号)2012

Development of polypoidal choroidal vasculopathy in unaffected fellow eyes
Yun Taek Kim et al (Seoul, Korea)
Br J Ophthalmol 2012; 96: 1217-1221
・片眼のみにPCVを有する患者の他眼の長期変化と血管造影上の危険因子を決定する。
・47人の患者を少なくとも12か月以上経過観察した。47眼の他眼のうち、24眼(51.1%)に脈絡膜血管拡張、27眼(57.4%)に脈絡膜血管透過性亢進、6眼(12.8%)に枝分かれした血管網(BVN)、23眼(48.9%)にICGA上、後期地図状過螢光(LGH)がみられた。活動性のPCVが認められたのは9眼(19.1%)で、そのすべてに最初からLGHがみられた。しかしながら当初LGHの特徴がみられなかった眼にはPCVは発達しなかった(P<0.001)。 PCVが発達したのは当初BVNが見られた3眼であった。しかし、明らかなBVNが無かった6眼にも進行した(P=0.08)。
・他眼にICGA上LGHが存在することは活動性PCVの発達の明らかな危険因子になると思われ、前臨床又は切迫PCVとの診断に等しいかもしれない。LGHのある眼は、活動性のポリープが無くてもPCVに進行の可能性があるとして経過観察が必要である。(YM)

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