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British Journal of Ophthalmology

2013
97巻

緑内障眼では黄斑色素濃度は減少しているか

British Journal of Ophthalmology 97巻(8号)2013

Evidence of lower macular pigment density in chronic open angle glaucoma.
Igras E et al(Ireland)
Brit J Ophthalmol 97(8): 994-998, 2013
・黄斑色素MPは視機能、網膜を酸化による障害から予防するのに役立っているが、緑内障の様な視神経の神経変性がMPの変化を起こすかどうかについて検討した。
・POAGの40名とコントロール54名についてheterochromatic flicker photometry法で中心窩外0.5度の部位の黄斑色素濃度MPOPを測定した。
・POAGのMPODは0.23±0.42であったが、コントロール眼では0.36±0.44で有意差があった(p=0.031)が、MPODとPOAGのハンフリー視野24-2でのMDで表示した病勢との間には相関はなかった(p=0.64)。
・MPODは緑内障者では低くなっていることが分かり、緑内障者でのグレアの自覚に影響していると考えた。
・MPOD減少の要因としては、循環障害と酸化ストレスがあると考えた。
・網膜微小循環障害がカロチノイドの黄斑部への移動を障害し、MP形成が障害される可能性がある。
・また、緑内障による酸化ストレスがフリーラジカル産生を促して神経節細胞の死滅に関与するとともに、MP消失を起こすのだろう。
・初期緑内障における黄斑厚の減少やganglion cell complex(GCC)の消失がMPの同時消失を伴っているというのは十分にありうることである。(TY)

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