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British Journal of Ophthalmology

2014
98巻

加齢性黄斑変性症におけるIVR治療に無反応の要因

British Journal of Ophthalmology 98巻(9号)2014

Predictive factors for non-response to intravitreal ranibizumab treatment in age-related macular degeneration
Misa Suzuki et al.(Keio university school of Medicine)
Br J ophthalmol  98(9): 1186-1191, 2014
・AMDの初回治療として3か月毎月のIVR後9か月までPRN治療を行なったAMD患者141名141眼は12か月目でIVR後、浸出が増悪する眼底所見と100㎛以上の中心網膜厚の増加で視力が悪化したが、㏒MAR0.2以上の悪化をIVR無反応症例と判断した。
・視力の評価では14.9%、眼底所見では17.0%が無効であった。
・視力で評価すると線維血管性PEDと漿液性PEDが、眼底所見で評価すると線維血管性PEDとI型CNVが無反応と関連していた。
・Yamashiroらの報告ではPCVの14.3%と、典型的AMDの14.3%はIVRの効果が無い為PDTを開始し、Krugerらの報告では血管新生AMDの15%は、無効だったとある。
・今回もこれらの報告に類似する。線維血管性PEDは視力でも眼底所見からでも共に無効例の危険因子であるが、原因を推測すると、RPE直下の線維組織が脈絡膜毛細血管からの酸素拡散を減少させ、結果としてRPEからの漏出液の能動輸送を妨害することとなる。
・微細な環境を維持するRPEの能力が減少し、光受容体機能がそこなわれる。Type1CNVではRPEバリア機能が保たれていて薬剤の浸透が不充分なため眼底所見では無効に見えてもRPEバリア機能のためAMD領域の急速な進行が無く、視力では無効例の危険因子とならなかったと考えられる。(YM)

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