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British Journal of Ophthalmology

2015
99巻

ブロムフェナック点眼が網膜静脈分枝閉塞症患者のベバシズマブ硝子体注射の回数を減らす

British Journal of Ophthalmology 99巻(2号)2015

Topical bromfenac reduces the frequency of intravitreal bevacizumab in patients with branch retinal vein occlusion
Masahiko Shimura, et al. (NTT東日本東北病院)
Br J Ophthalmol 99(2): 215-219, 2015
目的:BRVOからの2次的なMEのためにベバシズマブ硝子体注射治療期間中のブロムフェナック点眼の効果を評価した。
対象と方法: 50歳以上で発症3ヶ月未満 BRVOによるMEで、視力logMAR 0.5〜1.0、中心窩厚(FT)400μm を認めた症例のうち、初回の硝子体注射から3ヶ月以内にFT300μm以下、視力改善が認められた40眼(表1)。
3ヶ月後、2回目のIVB受けた。2回目の注射の日から0.1%ブロムフェナック点眼を開始(20眼)、コントロールには人工涙液を使用した(20眼)。
2剤とも1日4回点眼とした。(基礎研究では点眼後2時間で濃度ピークになり、12時間後次第に減少していった。眼内濃度を維持する為に4回とした。)
FT400を超えたら繰り返しIVBを施行した。
初回の硝子体注射から56週間、4週毎に経過観察した。
結果:ブロムフェナック群       コントロール群 
     IVB回数   3.8±1.1回         4.8±1.2回 (p=0.014)
   最終FT    317.6±79.6μm       313.8±90.5μm
     最終視力   logMAR 0.353±0.206    logMAR 0.347±0.158
56週後もブロムフェナック群では5例、コントロール群では6例がFT400μm以上となり、追加のIVBを施行した。
副作用はなかった。
結論:BRVOによるMEに対し、ブロムフェナック点眼がIVBの回数を減らし、IVBの効果を維持する可能性がある。(CH)

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