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British Journal of Ophthalmology

2015
99巻

冠動脈疾患の重症度は独立して早期加齢性黄斑変性の頻度と結び付けられる

British Journal of Ophthalmology 99巻(3号)2015

Severity of coronary artery disease is independently associated with the frequency of early age-related macular degeneration
Sarah B Wang, (Australia)
Br J Ophthalmol 99(3):365-370, 2015
目的:冠動脈造影(CAG)で評価された冠動脈疾患(CAD)の重症度とAMDの関連を調べた。
対象と方法:2009年6月〜2012年1月、冠動脈造影(CAG)を受けた1545人(表1)
AMDの査定は、すべての患者で散瞳下でデジタル眼底写真を撮り評価した。
早期AMD:境界不明瞭や網状軟性白斑、網膜の色素沈着や色素脱失
晩期AMD:新生血管AMD+萎縮性病変AMD
新生血管AMD:RPEや感覚網膜に漿液性または出血性の剝離、網膜下出血や網膜下線維増殖
萎縮性AMD:少なくとも175μm以上の境界明瞭で脈絡膜の血管が見える色素脱失
結果:全てのAMD有病率は6.9% (n=107)だった。
早期AMDの有病率 5.8% (n=86) 、晩期AMD1.4% (n=21)( 新生血管AMD 0.5%、萎縮性AMD 0.7%を含む)
50%以上の狭窄のある患者は、50%以下の患者と比べおよそ2倍の初期AMDの可能性があった。
3枝病変のある患者は2倍以上の初期AMDの可能性があった。
晩期AMDと冠動脈疾患と関連はなかった。
類似の結果が、男性のみを分析したときにも認められた。女性では認められなかった。
結論:初期AMDは、冠動脈疾患の狭窄病変と重症度と独立して関連していた。冠動脈疾患のある患者はAMDの検査を受ける事を提案する。(CH)

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