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British Journal of Ophthalmology

2016
100巻

全層角膜移植の移植片生着に対するドナー年齢と角膜内皮細胞密度の影響

British Journal of Ophthalmology 100巻(7号)2016

The impact of donor age and endothelial cell density on graft survival following penetrating keratoplasty
M J Wakefield et al. (UK)
Br J Ophthalmol 2016(7);100:986-989
目的:ドナー年齢と手術前の角膜内皮細胞密度(ECD)が全層角膜移植後の内皮機能不全に影響するかどうか検討した。
対象と方法:1999年4月から2012年3月までにPKを受けた9415人を対象とした。主な対象疾患はフックス角膜変性症、PBKなど。
ドナー年齢を3グループに分け(0〜60 歳、10〜75歳 、75歳以上)、ECDも3グループ(2400cells/mm2以下、 2401〜2600 cells/mm2未満、2600 cells/mm2以上)に分けて検討した。
結果:全体の5年生存率は89%だった。FED 95%  PBK 83%  その他 89%
それぞれのドナーECDグループ、ドナー年齢グループと対象疾患で有意差はなかった。
結論:PK5年後の角膜内皮細胞機能不全と、ドナー年齢(最高90歳)や術前ECD2200 cells/mm2以下との関連は見つけられなかった。これはドナー年齢の制限がないUKのアイバンクポリシーを支持する。
ドナーの年齢が高くても内皮が少なめでも角膜移植の移植片生着に影響しないと思われる。(CH)

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