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British Journal of Ophthalmology

2015
99巻

tPAとアイリーア・ルセンティスとの相性

British Journal of Ophthalmology 99巻(6号)2015

Compatibility of recombinant tissue plasminogen activator (rtPA) and aflibercept or ranibizumab coapplied for neovascular age-related macular degeneration with submacular haemorrhage.
Klettner A, Grotelüschen S, Treumer F, Roider J, Hillenkamp J. (Germany)
Br J Ophthalmol. 2015 ;99(6):864-9
【目的】
・AMDによる網膜下血腫の治療の際、tPAと抗VEGF剤とを同時投与する場合がある
・tPAおよびその産物であるプラスミンが抗VEGF剤を分解させないか、in vitroの環境で評価
【対象と方法】
①afliberceptおよびranibizumabをそれぞれtPAまたはプラスミンとともにインキュベートし電気泳動
②豚眼の網膜色素上皮細胞を用いたVEGF-ELISA法で抗VEGF活性を定量
【結果】
ranibizumab:電気泳動ではtPA・プラスミンのどちらと同時投与した場合も新たなバンドがみられず、抗VEGF効果も変化なし
aflibercept:tPAはafliberceptを分解しなかったが、プラスミンと同時投与すると電気泳動にて追加のバンドがみられた(=分解された)
・実臨床での濃度(800μg/mL)ではafliberceptの抗VEGF効果は減弱しなかったが、半分の濃度(400μg/mL)では抗VEGF効果が消失した
【結論】
・RanibizumabはtPAやプラスミンと混ぜても分解されず機能も低下しない
・Afliberceptはプラスミンと同時投与することで分解され機能が低下する
・臨床の場ではAMDによる網膜下血腫の治療の際にはtPAとranibizumabは同時投与可能である(MK)

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