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British Journal of Ophthalmology

2017
101巻

レーザー硝子体切除による白内障

British Journal of Ophthalmology 101巻(6号)2017

Cataracts induced by neodymium-yttrium-aluminium-garnet laser lysis of vitreous floaters
Ellen H K. et al (Bascom Palmer Eye Institute, FL, USA)
Br J Ophthalmol 101(6):709-711, 2017
YAGレーザーによる飛蚊症治療後に白内障を生じた2例を報告
Case1. 63歳の白人女性 1週間前にレーザーを受け、その後視力低下し受診
後嚢にダイヤモンド型の欠損 BCVA:20/50 白内障と硝子体手術を行い経過良好
Case2.65歳白人男性 2年前にレーザー治療 その後視力低下し受診
卵形の欠損 BCVA:20/70 手術後経過良好
どちらも硝子体混濁は残っていた
考察
後嚢が破損した経緯は不明
飛蚊症に対するYAGレーザー治療はFDAでも未認可でその成績に関する報告も0-100%までさまざま。唯一確立している飛蚊症治療はPPVのみ
最新の報告(Delaney et al)でも有効性は38%で a moderate improvementであった。
クリニカルトライアルや大規模の調査がされておらず、Safety reportがない。
Ellexのガイドラインでも白内障の発生は可能性ありとされているが、その発生率や具体例は示されていない
他の合併症としてはCowanらが難治緑内障の発生を報告
現時点では有水晶体眼へのレーザーは禁忌とすべきかもしれない。(MM)

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