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British Journal of Ophthalmology

2020
104巻

春季カタルにおけるステロイド緑内障と失明

British Journal of Ophthalmology 104巻(2号)2020

Steroid-induced glaucoma and blindness in vernal keratoconjunctivitis
Sirisha Senthil, et al(India)
Br J Ophthalmol. 104(2):265-269, 2020
・失明:視力が(0.05)以下もしくは視野が10度以内
・ステロイド緑内障(SIG):2回連続で22mmHg以上の眼圧(SecondaryのためOHTもこの中に含めている)
・インドの三次医療機関に1992年から2009年に受診した患者をレトロスペクティブに調査結果
・4062例のVKCのうち91名157眼(2.24%)がSIG(123眼78.3%)もしくはOHT(34眼21.6%)であった。視野検査は157眼のうち121眼で実施されていた
・VKC発症年齢中央値12(IQR:7-17)歳(97%が30歳未満、87%が男性)、初診時の眼圧24.9±12.8mmHg、発症後継続期間中央値48ヶ月、ステロイド使用期間24ヶ月、C/D比0.9、MD値-21.9dB
・ステロイドの種類:特定できたのは64/157眼:52眼はStrong Steroid(うち30眼はデキサメサゾン)、12眼はフルオロメソロン10眼、ロテプレドノル2眼であった
・眼圧がコントロールができていた者は157眼中104眼66%、34%(53/157)では緑内障手術を要した(30眼でレクトミー(MMC無し)、7眼でMMC有りのレクトミー)、16眼では白内障同時手術を実施
・初診時の眼圧高値、ステロイドの使用期間の増加は緑内障手術の必要性と有意に相関した
・初診時157眼中68眼(39名)(43.3%)で失明、29名/91名(31.8%)は両眼ともSIGで失明しており、C/D比が高いほど失明と相関
・VKCでステロイドを使用している場合は眼圧の十分なモニターが必要であり、眼圧上昇を生じる場合はシクロスポリンやタクロリムスを使用する必要がある。(MM)

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