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British Journal of Ophthalmology

2020
104巻

後部硝子体剥離と傍乳頭RNFL厚

British Journal of Ophthalmology 104巻(11号)2020

Effect of partial posterior vitreous detachment on spectral-domain optical coherence tomography retinal nerve fibre layer thickness measurements.
Liu Y et al(WI USA)
Brit J Ophthalmol 104(11): 1524-1527, 2020
・部分的な後部硝子体剥離(partial PVD:pPVD)がSD-OCTでの傍乳頭網膜神経線維層RNFL厚測定に影響があるかどうかを検討した。
・101例101眼の緑内障疑い者を55眼のpPVD(+)眼と46眼のpPVD(-)眼に分けて検討した。
・pPVD(-)眼には後部硝子体が完全に接着しているものと、後部硝子体が完全に剥離した両者が含まれる。
・RNFL厚はpPDV(+)群では96.7±9.9であり、pPVD(-)群の90.7±14.6μよりも有意に厚かった(p=0.02)。
・殊に下方ではp=0.004、上方ではp=0.008と有意差が強かったが、鼻側(p=0.10)、耳側(p=0.25)では有意差がなかった。
・加齢による変化を考慮しても有意差があった(p=0.05)。
・この理由は一つには硝子体の牽引力が外境界膜に伝わり、RNFLを厚くしているためであろう。
・また、硝子体乳頭牽引症候群では視神経乳頭への牽引力が視神経乳頭の腫脹を来し、網膜へも影響している可能性もある。
・OCTでRNFL厚を検査する場合、pPVDについても考慮する必要があるだろう。(TY)

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