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British Journal of Ophthalmology

2025
109巻

角膜中央厚と原発開放隅角緑内障のリスクの再検討

British Journal of Ophthalmology 109巻(1号)2025

Central corneal thickness and the risk of primary open-angle glaucoma: a Mendelian randomisation mediation analysis.
Katsimpris A et al(UK)
Brit J Ophthalmol 109(1): 52-57, 2025
・角膜中央厚(CCT)と原発開放隅角緑内障(POAG)の関係を評価した観察研究では、CCTとPOAGとの間に逆相関が報告されているが、これはコライダー・バイアスの結果である可能性がある。
・エクスポージャー(CCT)とアウトカム結果(POAG)の両方に影響を与える要因(コライダー:眼圧)があったためではないか。
・国際緑内障遺伝学団体のゲノム研究と英国バイオバンクのCCTおよび眼圧と関連するヒトの遺伝データを用いて、POAG症例 82,83人、対照群 753,827人でメタ解析した。
・メンデルランダム化(Mendelian Randomization)遺伝情報を用いた因果推論の手法で、交絡因子やバイアスの影響を減らして、エクスポージャー(CCT)がアウトカム(緑内障)に影響を与えるかを調べた。
・メンデルランダム化分析の結果、CCTが50μm増加するごとにPOAGのリスクが上昇した(OR=1.38 95%CI=1.18~1.61, p値<0.01)。
・また、CCTがPOAGリスクに与える影響の28.4%が眼圧の変化を介していることが明らかになった。
・従来の観察研究とは異なり、CCTが厚いほどPOAGのリスクが高くなることがわかった。(TY)

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