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British Journal of Ophthalmology

2025
109巻

角膜移植後のサイトメガロウイルス角膜内皮炎の予測因子

British Journal of Ophthalmology 109巻(6号)2025

Predictors of cytomegalovirus corneal endotheliitis postcorneal transplantation
Mako Watanabe, et al. (京都府立大学)
Br J Ophthalmol 2025(6);109:638–644.
・目的:角膜移植後のサイトメガロウイルス(CMV)角膜内皮炎発症の臨床的特徴と予測因子を調べる。
方法:2011年から2021年の間に行われた水疱性角膜症に対する角膜移植1225例(角膜内皮移植(DSAEK)、デスメ膜内皮角膜移植(DMEK)、および全層角膜移植(PK))。
・術前にCMV角膜内皮炎の治療を受けた31例を除外し、1194例(DSAEK 872例、DMEK 74例、PK 248例)を対象に角膜移植後のCMV角膜内皮炎発症の危険因子について解析した。
・CMV角膜内皮炎の診断
・PCR検査でCMV DNAが陽性であり、単純ヘルペスウイルス(HSV)DNAおよび水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)DNAが陰性であること。
・コインリージョン、線状の角膜後面沈着物(KP)、またはKPを伴う局所性角膜浮腫のいずれかを呈し、さらに再発性/慢性ぶどう膜炎、眼圧亢進または続発性緑内障、角膜内皮細胞減少の3つの所見のうち少なくとも2つを伴うこと。
・結果:1194例中15例(1.26%、DSAEK 後13 例、DMEK 後1 例、PK 後 1 例)に角膜移植後CMV角膜内皮炎が発生した。
・コインリージョンまたはKPは全例で認められた。
・平均発症期間は術後9.9±12.2か月、術後12か月以内に発症したのは12例(80.0%)だった。
・他の3 例は術後 15、33、40ヶ月で発症し、遅発性 CMV 角膜内皮炎と考えられた。
・臨床所見は、コインリージョンまたはKP(症例の100%で観察)であり、次いで前部ぶどう膜炎(13.3%)、眼圧上昇(6.7%)、通常経過と比較した急速な角膜内皮細胞喪失(13.3%)であった。
多変量解析で、男性、前部ぶどう膜炎の既往、および緑内障の既往が、術後CMV角膜内皮炎の発症と有意に関連していることが明らかになった。
・また、緑内障と前部ぶどう膜炎の既往が重複すると、術後CMV角膜内皮炎の発症が有意に促進されることが明らかになった(p<0.001)。
・結論:角膜移植後、コインリージョンまたはKPを伴ってCMV角膜内皮炎が発症した。
・特に術後12ヶ月間は、綿密な経過観察が必要である。
・また、前部ぶどう膜炎と緑内障の重複病歴を有する症例においては、注意深い観察と早期診断の重要である。(CH)

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