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British Journal of Ophthalmology

2011
95巻

糖尿病患者と緑内障発症との関連

British Journal of Ophthalmology 95巻(12号)2011

Diabetes: a risk factor for glaucoma?
Primus S et al(IN USA)
Brit J Ophthalmol 95(12): 1621-2, 2011
・2020年には全米で、緑内障患者は330万人、糖尿病患者は720万人に達し、DMのうち、45%近くが網膜症を発症すると推計されている。
・球後や網膜微小循環の異常は糖尿病と緑内障の両者にみられる。
・一酸化窒素(NO)とエンドセリン-1(ET-1)の影響が考えられている。
・NOは血管平滑筋拡張を来たす。低NOは血管収縮を来たすが、異常に高いNOは網膜神経毒となる。
・DMでの高血糖はNO産生を抑制するとともに血管平滑筋細胞のNOに対する感受性を低下させ、血管収縮を来たす。
・OAG患者はNOの血中濃度が異常であるとの報告もある。
・また、内皮のNO生成酵素のいくつかの遺伝子多型は緑内障発症のリスクを上昇させることに関連し、緑内障病態におけるNOの機構的な重要性を示している。
・NOと反対に血管収縮を来たすET-1は、緑内障患者の前房水中に高濃度であることが分かっている。
・NOとET-1の緑内障とDMにおける役割は両疾患の血管機能不全における潜在的な機構である可能性がある。

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