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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2011
249巻

HIV陽性者の運転能力について

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 249巻(11号)2011

Relationship between retinal nerve fiber layer thickness and driving ability in patients with human immunodeficiency virus infection.
Cheng S et al(CA USA)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(11): 1643-7, 2011
・22例のHIV陽性者と、年齢をマッチさせた16例のHIV陰性者で、網膜神経線維層厚を測定し、広い視野の模擬運転装置を用いた運転能力を測定した。
・模擬運転装置では約20分間、10.2マイルを運転し、交通法規を守っているか、衝突を避けうるか、追い抜き能力、スピード違反や、車線が守れるかなどを運転ミスとしてスコア化した。
・HIV陽性者ではコントロールに比して有意に運転エラースコアが高かった(18.4±9.2:11.1±4.5 p=0.0006)。
・RNFL厚は運転エラースコアと有意に相関していた(r=-0.51 p=0.025)。
・ヘルパーT細胞の膜表面にある抗原であるCD4数は、HIV感染症では減ってくるが、このCD4値が100未満の場合は、100以上の人に比べ有意にエラースコアが大きかった(29.7±13.2 vs 19.3±8.4 p=0.056)。
・また、エラースコアが最大の群はCD4が100未満で、RNFL厚が80μm未満のHIV陽性者であった。
・RNFL厚が薄くなる程、運転能力は低下傾向があり、HIV感染者では眼科的な機能低下があることに注意すべきである。

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