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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2012
250巻

アスタキサンチンの脈絡膜血流速度を増加させるか

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 250巻(2号)2012

Astaxanthin increase choroidal blood flow velocity.
Saito M et al(北大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(2): 239-45, 2012
・Astaxanthin(AXT)は抗酸化、抗炎症作用、血流速度を早める効果を持っている。
・AXTは鮭やイクラ、エビやカニなど、赤い色素が外見的にも特徴的な魚介類に多く含まれており、高い抗酸化作用を持ち、紫外線や脂質過酸化反応から生体を防御する因子として働いている。
・光障害から目を保護するとも言われており、サプリメントとして販売されている。
・また、調節力改善、眼精疲労改善にも有効である。
・Laser speckle flowgraph(LSFG)を利用して、AXTを1日12mg、4週間連続摂取した時の脈絡膜血流速度を測定した。
・正常ボランティア20名(AXT群10名38.2±11.7歳、プラセボー群10名38.8±6.8歳、いずれも体重は54±7Kg)で、摂取前、摂取2週後、4週間後で、血流速度の定量的な指標であるLSFGの square blur rate(SBR)値を測定した。
・AXT群では4週間後に黄斑部のSBR値は有意に増加していた(p=0.018)が、プラセボー群では有意はなかった(p=0.598)。
・AXTの4週以上の摂取は、副作用がなく、脈絡膜血流速度を増加させることができた。

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