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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2012
250巻

閉塞性睡眠時無呼吸症候群における早期視神経障害の検出

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 250巻(11号)2012

Evaluation of the visual function in obstructive sleep apnea syndrome patients and normal-tension glaucoma by means of the multifocal visual evoked potentials.
Gutierrez-Diaz E et al(Spain)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(11): 1681-1688, 2012
・20名の閉塞性睡眠時無呼吸症候群OSASで、OSASと視神経機能障害との関連を、正常眼圧緑内障NTGのあるなしで、VERISの多局所VEP(mfVEP)で調べた。
・ハンフリー視野30-2と、トプコンOCTも同時に検査した。
・mfVEPでの振幅異常と潜時延長は非緑内障群では40%と30%に、NTG群では90%と60%にみられた。
・NTG群では視野異常、RNFL厚の異常が全例にみられたが、NTGの極早期の異常を検出しているmfVEPの振幅や潜時異常との間には相関がなかった。
・mfVEPの振幅や潜時と有意に相関していたものは、収縮期血圧(p=0.007 p=0.01) 、睡眠効率(p=0.006 p=0.017)、覚醒指数(p=0.002 p=0.002)、平均動脈SaO2(p<0.001 p=0.013)、最低動脈SaO2(p<0.001 p=0.033)、SaO2<90%時間(p<0.001 p=0.033)、酸化ヘモグロビン不飽和指数(p=0.001 p=0.062)、無呼吸の数(p=0.01 p=0.8)、無呼吸低呼吸指数(p=0.001 p=0.037)であった。
・構造的あるいは心理物理的な臨床所見に現れる前の視神経障害がmfVEPで有意にとらえられることが分かった。

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