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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2013
251巻

近視性脈絡膜新生血管の視力や網脈絡膜変性の進行に対する抗VEGF薬の長期結果

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 251巻(1号)2013

Long-term effect of intravitreal injection of anti- VEGF agent for visual acuity and chorioretinal atrophy progression in myopic choroidal neovascularization
Akio Oishi, et al. (京都大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 251(1):1-7, 2013
・抗VEGF治療を受けたmCNV患者の長期の視力予後を調査した。
そして、同時にCRAの拡大はどのぐらいの頻度で起こるのか、CRAの有無での違いを調査した。
・(1)subfoneal またはjuxtrafovealのCNV、(2)-6D以上の近視または眼軸長26.5mm以上(3)白内障以外の手術を受けていない20人20眼(男性7人、女性15人)平均年齢64.1±9.6歳(47~81歳)
平均眼軸長28.9±1.6mm (26.28~32.63mm)、平均屈折値-11.9±3.7D (-7~-21D)
注射前、FA、OCT、眼底カメラ検査を行った。
経過観察は注射後1、3、6、12、18、24、30、36、48ヶ月
受診毎に視力、診察、OCT検査をした。自覚症状が悪化した時FAを行った。
必要に応じて追加治療を行った。再治療は自覚的/他覚的に視力低下、OCTで滲出性変化、FAでleakが認められた時に行った。
平均眼軸長28.9±1.6mm (26.28~32.63mm)、平均屈折値-11.9±3.7D (-7~-21D)
平均注射回数 2.1±1.9回 (1~7回) ベバシズマブ41回、ラニビズマブ6回
・最初の1年で9眼(40.9%)のCRAが拡大した。2年で14眼(63.6%)、3~4年で16眼(72.7%)
治療後3年は視力改善した。治療前0.76、治療1年後0.52、2年後0.48、3年後0.54、4年後0.59(表5)
4年目以降はほとんど変化がなかった。
視力の改善はCRAの拡大ない人で多かった。より大きなCNVでは視力はあまり改善しなかった。
・抗VEGF治療はmCNVの標準的な治療になっている。この研究では長期の効果を確認した。
抗VEGF治療が4年間の間、満足いく視力改善できた事を示した。
しかし、CRAの治療は不明である。
より治療効果を上げるためにCRAの原因とマネージメントを調査する必要がある。(CH)

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