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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2014
252巻

シリコンオイルによって引き起こされた続発緑内障に対する選択的レーザー線維柱帯形成術の結果

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 252巻(6号)2014

Clinical results of selective laser trabeculoplasty in silicone oil-induced secondary glaucoma
Miaomiao Zhang, et al. (China)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 252(6): 983-987, 2014

・シリコンオイルによって引き起こされた続発緑内障患者に対するSLTの効果を評価した。
・42人42眼。(表1)
SLTは、線維柱帯360度、レーザーエネルギーは開始時0.8mJに設定されて、泡形成が起こるまで0.1mJ増加した。レーザースポットは93〜102発。
すべての患者はSLT後の眼圧急上昇を防ぐため、レーザー治療1時間前とレーザー直後に1.0%アイオピジン点眼を行った。術後7日間0.1%フルメトロン点眼1日4回使用した。
・治療前23.1±1.9 mmHg → 12ヶ月後18.4±3.7 mmHg、平均眼圧低下率20.3%だった。(表2)。
緑内障点眼剤 治療前 2.17±1.21剤 → 12ヶ月後 1.25±0.89剤
治療後12ヶ月後の生存率59.5%だった。
SLT後の一過性眼圧上昇(6mmHg以上上昇)は11眼(26.2%)で認められた。
その他、副作用はなかった。
経過観察中、線維柱帯切除術3眼(7.1%)、シリコンオイル抜去術7眼(23.8%)に必要になった。
・シリコンオイルはマクロファージによって運ばれ線維柱帯に詰まる。SLTがサイトカインや走化性因子の放出を刺激し、その結果、線維柱帯に詰まっていたマクロファージの放出を促進すると考えられた。
SLTがシリコンオイルによって引き起こされた続発緑内障患者の眼圧を下げる効果的な手段であることを示した。(CH)

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