眼科JOURNALトップ > Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology > POAGにおける網膜酸素消費度についての検討

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2014
252巻

POAGにおける網膜酸素消費度についての検討

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 252巻(11号)2014

Investigation of blood flow regulation and oxygen saturation of the retinal vessels in primary open-angle glaucoma.
Ramm L et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 252(11): 1803-1810, 2014
・41例のPOAG(64.1±12.9歳)と40例の健康者(63.6±14.1歳)を比較して、POAGの網膜の酸素供給を検討した。
・対象は緑内障点眼薬使用下で眼圧が22mmHg以下の緑内障である(緑内障の程度の記載はない)。
・Retinal Vessel Analyzer(RVA)を用いて、視神経乳頭像を解析した。
・乳頭縁の網膜中心動脈と静脈の径、2波長法での酸素飽和度を求めた。
・フリッカー光の照射に対する反応も検討した。
・POAGでは正常者よりも静脈の酸素飽和度SO2は有意に高かったが(64.36±7.11:59.78±8.47% p=0.01)、動静脈差は有意に小さかった(33.07±5.24:37.53±6.95 p=0.002)。
・動脈の酸素飽和度や動脈径、静脈径には有意差はなかった。
・フリッカー照射による静脈径の増大(3.72±3.29:5.43±4.04% p=0.039)、静脈酸素飽和度の変化(2.08±3.74:4.18±3.88% p=0.016)、動静脈の酸素飽和度の差(-2.1±3.31:-4.43±3.6% p=0.03)はいずれもPOAGが健康者よりも有意に小さかった。
・このような、POAGでの動静脈の酸素飽和度差が小さくなっていることは、緑内障による神経網膜欠損によって網膜の酸素要求が減っていることを意味しているだろう。(TY)

過去のアーカイブ