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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2015
253巻

網膜細動脈瘤に対するレーザー治療と経過観察

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 253巻(4号)2015

Laser therapy versus observation for symptomatic retinal artery macro aneurysms
Jacob C. Meyer, (MO,U.S.)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 253(4): 537, 2015
目的:網膜細動脈瘤に対するレーザー治療と経過観察と比較検討した。
対象と方法:網膜細動脈瘤は以下のように分類した。(1)滲出性:1乳頭径以上の滲出が主な要素で、これが原因で視力が低下しているもの。(2)出血性:1乳頭径以上の出血が主な要素で、これが原因で視力が低下しているもの。
27人27眼。 経過観察グループ14眼(平均経過観察期間22ヶ月、滲出性50%、出血性50%)、レーザー治療グループ13眼(平均経過観察期間25ヶ月、滲出性54%、出血性46%)
結果:観察グループ視力20/120 → 20/96(p=0.57)、治療グループ20/281 → 20/54(p=0.0003)
観察グループ14眼の中で2 lineまたはそれ以上改善 29%、不変59%、2 lineまたはそれ以上悪化 14%
治療グループ13眼の中で2 lineまたはそれ以上改善 77%、不変23%、2 lineまたはそれ以上悪化 0%
治療グループで最終視力が20/200より悪くなった人はいなかった。
観察グループで最終視力が20/200より悪くなった人は4人。その内2人が網膜下出血
出血性と滲出性を比較すると、出血性の方が視力が改善した。
出血性グループ 20/540 → 最終視力20/150
滲出性グループ 20/72  → 最終視力20/34
出血性でレーザー治療した症例で最も視力が改善した。(表4)
浸出性では治療でも観察でも差はなかった。
レーザー治療のうち7人がしつこい黄斑浮腫のためレーザーを追加した。
結論:網膜細動脈瘤に対するレーザー治療は視力の改善結び付けられた。特に、主に出血を伴う網膜細動脈瘤による視力低下の危険性を減少させるかもしれない。(CH)

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