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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2017
255巻

網膜中心静脈閉塞症に対するナイアシンの効果

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 255巻(6号)2017

Effect of oral niacin on central retinal vein occlusion.
Gaynon MW et al(CA USA)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 255(6): 1085-1092, 2017
・脂質異常症に対するナイアシンには血管拡張作用があり、CMEを併発した慢性網膜中心静脈閉塞症38例(66.5±15.3歳)に使用して効果を調査した。8例(69.6±12.3歳)をコントロールとした。
・ナイアシンアミド(ニコチンアミド)とナイアシン(ニコチン酸)の総称で、ビタミンB3。二日酔いの原因になるアセトアルデヒドを分解する酵素の補酵素としても働いている。
・トコフェロールニコチン酸エステル(ユベラNカプセル)。
・CRVOの継続期間は4.6±15.7:6.4±3.2か月でほぼ同じ。
・開始前、3,6,12ヶ月後のナイアシン群のlogMARは0.915(小数点0.12)→0.746(小数点0.18 p=0.12)→0.665(小数点0.22 p=0.02)→0.659(小数点0.22 p=0.03)、CMTは678.9→478.1(p=0.001)→388.6(p<0.001)→317.4μm(p<0.001)。
・コントロール群のlogMARは1.023(小数点0.09)→1.143(小数点0.07)→1.194(小数点0.06)→1.162(小数点0.07 p=0.36)、CMTは700.0→12か月後に490.9μm(p=0.06)。
・抗VEGF剤の硝子体内注入の補助療法として有効である可能性がある。(TY)

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