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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2018
256巻

広域接触型スペキュラ―マイクロスコープを用いた線維柱帯切除術の角膜内皮細胞の解析

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 256巻(4号)2018

Naoki Okumura, et al. (京都府立医大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol (2018)(4)256:751-757
・目的:広域接触型スペキュラ―マイクロスコープを用いて線維柱帯切除術後の角膜の異なる領域の角膜内皮細胞密度(ECD)損失の差異を示すかどうかを調べる。
・対象と方法:2004〜2015年に京都府立医療大学で線維柱帯切除術を受けた緑内障患者37名(男性17名、女性20名、年齢47〜86歳)の51眼。
・術後1年未満(グループ1:n = 19)、1年以上2年未満(グループ2:n = 6)、2年以上3年未満(グループ3:n = 6)3年以上4年未満(グループ4:n = 8)4年以上(グループ5:n = 12)
・ECDは、(1)角膜中心部(2)線維柱帯切除術後濾過胞の近く(3)濾過胞の反対側の3つの領域で測定した。
・結果:全眼の平均ECD(1)2210±487 cells/ mm2(2)1930±528 cells/ mm2(3)1519±507 cells/ mm2
・他の2つの部位よりも濾過胞近くのECDが有意に低いことが示された。
・ECDは、5群のいずれかにおいて、濾過胞の反対側、角膜中心では有意な減少を示さなかった(p = 0.077、p = 0.148)。
・しかし、濾過胞近くのECDは、それぞれのグループで1790±435 cells/ mm2、1601±184 cells/ mm2、1407±425 cells/ mm2、1339±572 cells/ mm2および1224±543 cells/ mm2であり、この領域のみECDの時間依存的な減少を示した
(p = 0.001)(図3c)。
・白内障手術を併用しても有意なECD減少は見られなかった。
・結論:少なくとも5年間にわたってECDの減少が続く。
・MMCの濃度、MMC治療の持続時間、MMCスポンジの位置、眼圧、先天性変化、緑内障点眼の細胞毒性、房水のジェット流、慢性炎症などが考えられるが、理由は分かっていない。
・線維柱帯切除術後のECD減少の病理を明らかにするために、CEC密度低下における濾過胞の関与をさらに調べるべきである。(CH)

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