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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2025
263巻

スペキュラマイクロスコープで検出された細胞内黒色斑は、デスメ膜角膜内皮移植後の移植不全と関連している

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 263巻(5号)2025

Intracellular dark endothelial spots detected using specular microscopy are associated with graft failure after Descemet’s membrane endothelial keratoplasty
Ami Igarashi, et al. (日本大学)
Graefe’s Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology 2025(5) 263:1373–1382
・目的:以前の研究で、全層角膜移植術後の角膜内皮細胞の細胞内黒色斑(IDES)が、角膜内皮密度(ECD)の急速な低下と関連していることを明らかにした。
・本研究では、IDESがデスメ膜角膜内皮移植後(DMEK)の移植不全のリスク因子となり得るか検証した。
・方法:2015年1月から2022年7月の間に、同一医師が施行したDMEK 100眼を解析した。
・DMEKの最も多い疾患はフックス角膜内皮ジストロフィー(40眼、41.2%)であった。
・結果:DMEK 100眼のうち経過観察できたのは97眼(平均年齢は74.9 ± 8.2歳)、経過観察期間内(52.9±23.9か月)に9眼で移植不全が認められた。
・IDESは、術後平均9.8±11.2ヵ月で出現した。
・IDESの存在は唯一の移植片不全の有意な因子であり、IDESを有する眼ではリスクが高いことを示唆した(ハザード比[HR]=4.68、P=0.034)。
・多変量Cox回帰分析では、COVID-19ワクチン接種前後のIEDSの存在が有意な因子であることが特定された(ハザード比[HR]=5.12、P=0.046)。
・IDESの出現から移植不全までの平均期間は43.6 ± 19.5か月。
・ 術後5年の生存確率はIDES陰性群で95%であったのに対し、IDES陽性群では90%未満であった。
・結論:DMEK後の移植不全の危険因子として、術後6ヶ月時点での角膜内皮細胞密度の低下、緑内障手術の既往、角膜移植手術の失敗などが既に特定されている。
・IDESの原因は依然として不明であるが、IDES もDMEK後の移植不全の重要な危険因子である。
・このリスクを最小限に抑えるには、術後のスペキュラマイクロスコープによる定期的なモニタリングと、術後の綿密な管理が不可欠である。(CH)

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