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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2016
134巻

トラベクトーム術後の毛様体解離

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻(3号)2016

Transient Ciliochoroidal Detachment After Ab Interno Trabeculotomy for Open-Angle Glaucoma
A Prospective Anterior-Segment Optical Coherence Tomography Study
Tadamichi Akagi et al (Kyoto)
JAMA Ophthalmol 134(3):304-311, 2016
流出路手術後に理論的にはあり得ない低眼圧を一時的に生じることがある。ロトミー後に生じるような毛様体解離(CCD)がないかプロスペクティブに調査
37例のPOAGに対するTrabectomeで術後AC-OCTを用いてCCDの有無を検討する
Temporal, Superior, Inferior, 30°Spranasal, Nasal, 30°Subnasalの6方向
3例は術後フォローアップ不足、一例は術前よりCCDを認めたため除外 結果33例の解析
術後3日目において、CCDあり:14眼42%、CCDなし:19眼58%であった 5mmHg以下の低眼圧になった例はなかった
CCDあり:術後3日目 10例で6方向すべて、10日目 5例、1か月目 4例
CCDなし群と比べて、眼軸が短い(23.66 vs 25.16) CCTが薄い(505.9 vs 533.9)
IOP: 1D 9.1 vs 14.2, 3D 8.4 vs 13.4, 10D 11.0 vs 15.5, 1M 13.4 vs 15.5, 3M 13.9 vs 15.5 徐々に差は減少
TMを切開した部分がCCDに接続している所見が得られた
Uveal effusionや小眼球、原田病、バックル術後、PRP後などでもCCDは生じる
ぶどう膜のうっ滞や静脈対流によるものと考えられるが、Trabectomeでは考えにくく、手術による炎症の可能性は否定できない。また切開創からのリークは認めなかったが、全例で角膜縫合をしたわけではないので、一過性の眼圧低下によるCCDの可能性、手術の際にCyclodialysisを作成してしまった可能性も否定できない
<結論>CCDを生じる原因は不明だが、まれではない 術直後の一過性眼圧低下と相関していた。切開部位でのぶどう膜強膜流出路の一過性増加によるものと考えている(MM)

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