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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2016
134巻

静脈閉塞症からの浮腫に対するナイアシン治療の可逆性かもしれない効果

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻(7号)2016

Potentially Reversible Effect of Niacin Therapy on Edema From Retinal Vein Occlusion
Ehsan Rahimy,et al.(California,U.S.)
JAMA Ophthalmol 134(7):839-840,2016
目的:静脈閉塞症からの慢性のCMEに対するナイアシン治療(ビタミンB3、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称)の効果を、薬の使用を止めた時可逆性があるかどうかも含めて検討した。
対象:63歳男性、高血圧、高脂血症、脳梗塞の既往有り。
右眼の視力障害を訴え(20/200)、RVOからのCMEを認めた。
脳梗塞のため抗VEGF治療は拒否され、ステロイドの硝子体注入、テノン嚢下注射も延期していた。
持続的なCMEは1年半続き、CMT 669.8μm、視力は20/100〜20/200。
経口のナイアシン治療を始めた。
結果:2週間かけて1日3回125mgから1日3回500mgまで徐々に増やした。
それはナイアシンのよく知られた副作用である顔面紅潮を抑えるため。
2週間後、CMEは減少し始め、4週間後、視力は20/40まで回復した。
その後、1年かけて1日1回500mgに減らした。その間に2回内服を中止したときがあったが、急速にCMEが再発した。
結論:ナイアシン治療(500mg経口)が30分後に脈絡膜血液量を39%増やすことを明らかにされている。
脈絡膜の血管拡張が網膜外層の酸素付加を改善して、低酸素状態とCMEの形成の要因となっている血管内皮増殖因子の産生を減少させる可能性はある。(CH)

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