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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2016
134巻

アメフトによる脳震盪で輻輳近点が遠ざかる

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 134巻(7号)2016

Association of Football Subconcussive Head Impacts With Ocular Near Point of Convergence.
Kawata K, Rubin LH, Lee JH, Sim T, Takahagi M, Szwanki V, Bellamy A, Darvish K, Assari S, Henderer JD, Tierney R, Langford D.(US-PA)
JAMA Ophthalmol. 2016 ;134(7):763-9. 
【目的】
・アメリカンフットボールの練習による頭部衝撃の繰り返しが輻輳近点(NPC)に影響するかを調査
【対象と方法】
・Temple大学のアメフト選手33名(うち4名除外)
・シーズン前のトレーニングキャンプの間とポストシーズン(最終試合より三週間後)に頭部への衝撃とNPCを調査
・頭部への衝撃はマウスガードに付けられた加速度計で測定
・Sports Concussion Assessment Tool 3(SCAT3)にて脳震盪の兆候をチェック
・5回の練習での測定結果により、低衝撃群(n=7)と高衝撃群(n=22)とに分類
【結果】
・高衝撃群では練習回数とともに一次関数的にNPCが延長、その後プラトーになりポストシーズンには回復した
・低衝撃群ではNPCの延長はみられず
・両群間の有意差は、フル装備の練習開始時よりみられ、練習期間中も継続した
・SCAT3の症状スコアは全期間において両群間に有意差みられず
【結論】
・頭部への衝撃を繰り返すことで、症状がなくてもNPCが延長することが示された
・NPC延長は頭部衝撃に対する眼球運動系の脆弱性と回復が遅いことを明らかにした
・NPCの変化は頭部外傷の重篤度を推し量る有用な臨床ツールとなりうる(MK)

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