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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2017
135巻

免疫不全の成人におけるジカウイルス感染の2次的な網脈絡膜病変

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻(4号)2017

 Chorioretinal Lesions Presumed Secondary to Zika Virus Infection in an Immunocompromised Adult
Christopher R. Henry, et al. (FL, USA)
JAMA Ophthalmol. 2017:135(4):386-389
目的:先天的なジカウイルス感染は、小頭症や色々な眼球異常(黄斑部斑状色素沈着、網脈絡膜萎縮)と結び付けられる。
成人では無症状のことがあり、発熱、発疹、関節痛、頭痛、2〜7日間持続する結膜炎がある。今回、免疫不全の成人におけるジカウイルス感染に続発する広範な両側網脈絡脈萎縮の症例報告。
対象:悪性リンパ腫で化学療法中の60代女性で、最後の化学療法の3日後、頭痛と倦怠感を発症、発疹は認めなかった。その2日後、視力悪化と飛蚊症を自覚した。
前房水でジカウイルスRNAが検出された。
結果:初診時視力は右眼指数弁、左眼20/50、KP、vit cell (+)、両眼に広範な網脈絡膜障害を認めた。FAで網脈絡膜病変の初期低蛍光および後期染色、OCTでは斑状黄斑病変における外側網膜層の破壊を示した。
アシクロビル400mgを1日2回投与。ガンシクロビル、ホスカルネット硝子体内注射を行った。
症状の発症から2週間後、視力は右眼20/80 左眼20/30、眼圧は34mmHgだった。3週間後視力は右眼20/60 左眼20/25に改善した。眼圧は18mmHg 。
6週間で、網脈絡膜病変は治癒し、視力は右眼20/25 左眼20/20に改善した。
結論:デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、ジカウイルスは同じフラビウイルス属である。
そのため、他のフラビウイルスで見られるような急激な、自然治癒する斑状の非壊死性の網脈絡膜病変が特徴であるかもしれない。(CH)

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